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第6話.2年2月~バレンタイン・チョコレート~

第6話.2年2月~バレンタイン・チョコレート~

「ねぇ、今年は一緒にチョコレート作らない?」
「何で?」
「何でって……。愛梨ちゃん。バレンタイン、翔堂さんにチョコあげないの…?」
「あぁ、そっか…。」
麻里亜は深い溜め息を吐いた。今まで彼氏なんていたことないし、あげるとしても家族ぐらいだったから、あまり気にしていなかった行事で、はっきり言って忘れてた。
「そっか…って。そんなんじゃ、翔堂さんに捨てられるよ!」
麻里亜の目が恋愛話の時の目になってる…。目がギラギラしてる。
「ねぇ、愛梨ちゃん聞いてる?」
「あっ、はい…。」
「もう……。栞ちゃんと麗華ちゃんも一緒に作ろうね。」
「はい。」
「まぁ、別に…。」
ということでバレンタイン前日の今日は麻里亜の家でチョコ作り。何を作るかというと、ガトーショコラ。ホントはザッハトルテとかにしようかという話は出たのだが、学校に持って行って、融けたら困るということで、ガトーショコラになった。
「よしっ!じゃあ、作り始めよっか!」
麻里亜の合図とともにバレンタインのチョコ作りが始まった。毎年、五反田の為に作っている麻里亜と料理が得意な栞の指示に従って、私達はガトーショコラを作っていく。
「じゃあ、麗華ちゃんはチョコレート湯煎して。」
「OK。…て、湯煎ってこのボールで?」
「栞。メレンゲってこれぐらい泡立てればいい?」
「はい。良いと思います。」
栞と麻里亜のお陰で、あまり料理のしない私も失敗することなく、オーブンに生地を入れるところまで出来た。
「後は4、50分焼けば出来上がりだよ!」
そう言って麻里亜はオーブンのボタンを押す。

更新日:2011-10-02 20:43:38

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