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重罪人


それから俺は五時間に渡って尋問された。
怒鳴られたり、殴られたり・・・時には拷問に近いことまでされた。

はじめ、真実を話し、暗殺を否認し続けていた俺も、後半からは黙秘を貫くようになった。誰も信じてくれないからだ。


「何とか言ったらどうだ!! 貴様がやったんだろ!!」


鼻の下からナマズのような二本の髭を生やした騎士団の一人が俺を怒鳴りつけ、頬に強烈な拳を振るう。

奴らの目は酷く冷たいものを帯びていた。

どんな工作をしたのかは定かではないが、トニーは捜査の目が完全に俺に向くように仕向けたらしかった。


「やってません」


久方ぶりに発した言葉はたったのそれだけ。


「貴様・・・!!」

「おい、そこまでだ」


そんな矢先、他の騎士団が俺のいる尋問室に入ってくる。


「もう少しだ! 待ってろ」


ナマズ髭の男がそう言ったのに対し、入ってきた男はその肩を掴む。
黙ったまま首を振った。


「・・・次期国王様が来た」


次期国王・・・つまり、死んだ国王の後継者、王子だ。


「こちらです」


扉の外から漏れる声から、すぐそこに王子がいることを悟る。
そして、開かれていた扉が凛とした雰囲気の美青年が一人。


「ちっ、タイムオーバーか」


ナマズ髭の男はそう吐いて、尋問室から出ていった。


「貴方が父を・・・」

「俺はやってないッ!!!」


整った顔立ちの王子は俺を見るなり、差別と軽蔑の目でそう漏らした。


「いい加減に認めたらどうですか? 父の胸には、父が貴方に用意させたレイピアが突き刺さっていました。もし、やっていないというのなら、貴方は今、あのレイピアを持っているということですね?」

「・・・なっ、馬鹿な!?」


更新日:2011-11-14 20:39:05