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はじまり


・・・某ゲームセンター


「これだよ、これ!! これがあの『アナザー』だよ!!」


興奮気味の俺の親友、輝也を渋々追いかけるようにして、俺はゲームセンターの奥にある『アナザー』へと辿りつく。

これが『アナザー』か。


「おいおい、おいおいおいおいっ!! お前、感動薄すぎだろ!!! 俺たちもついに、ついにだ・・・この世界的オンラインゲーム『アナザー』をプレイするときが来たんだぞ!!!」

「いや、感動してるよ。めちゃくちゃ」


卵のようなツヤのあるカプセル型のゲーム台。
機械的で無機質な純白のボディは、魅入ってしまうほどかっこいいデザイン。それに全長5mという迫力。

感動してないわけがない。


「はぁ~、なんていうかさぁ・・・感情籠もってねぇんだよ!! お前はっ!!!」


これだけの爆発的ヒットで、どこのゲームセンターも『アナザー』の台数だけは、他のゲームより格段に設置数が多い。

こんな小さくて古臭いゲームセンターの場合でも10台。

もっと大きいところでは、30台以上はザラだ。
それに最近じゃ、『アナザー』だけを専門的に扱う施設まで現れた。

今日もCMで、“『アナザー』100台、絶賛稼働中!!”なんて大っぴらに宣伝してたな。



今では名前を知らない人はいない、それどころか世界中でプレイしたことも半分程度の“世界一のゲーム”『アナザー』・・・それを今日、俺たちは初めてプレイする。


更新日:2011-08-09 19:07:15