• 22 / 243 ページ


「失礼します!」


さっきまでへらへらしていたトニーの雰囲気が変わる。
国王を前に、身を引き締めたのだろう。


「なんじゃ?」


“王の間”の扉の向こうから、国王のものらしき声が聞こえてくる。


「はっ、本日付で門番の任に就きましたトニーです。ポポン様から伝令書を預かっております!!!」

「そうか、では入れ」

「そ、その前に一つ。私が王国に来る前に大型モンスターに襲われてしまい、そこを助けていただいた旅人が二名いるのですが・・・」



トニーが俺たちに向けてウィンクする。
そういう設定でいけってことか。

俺たちは黙ったまま頷いた。


「おお、そうかそうか。兵といえど、この国の民。民の恩は国が返さねばな。よし、入るがよい」

「ありがたきお言葉・・・!! では、失礼いたします」


トニーは豪勢な扉をゆっくりと開いた。

更新日:2011-08-15 18:09:52

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook