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「失礼します!」
さっきまでへらへらしていたトニーの雰囲気が変わる。
国王を前に、身を引き締めたのだろう。
「なんじゃ?」
“王の間”の扉の向こうから、国王のものらしき声が聞こえてくる。
「はっ、本日付で門番の任に就きましたトニーです。ポポン様から伝令書を預かっております!!!」
「そうか、では入れ」
「そ、その前に一つ。私が王国に来る前に大型モンスターに襲われてしまい、そこを助けていただいた旅人が二名いるのですが・・・」
トニーが俺たちに向けてウィンクする。
そういう設定でいけってことか。
俺たちは黙ったまま頷いた。
「おお、そうかそうか。兵といえど、この国の民。民の恩は国が返さねばな。よし、入るがよい」
「ありがたきお言葉・・・!! では、失礼いたします」
トニーは豪勢な扉をゆっくりと開いた。
更新日:2011-08-15 18:09:52