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小説

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壁男ジニーさん

 少年は走った。校舎の外へと。
 夜の学校に肝試しに来た5人。七不思議の最後『壁男ジニーさん』。
 学校を建てた業者が、低額落札の結果、多くの問題を隠蔽した。
 不法就労入国者雇用もそれだ。ジニーもその一人。
 彼は、確認作業の怠慢から流し込まれたセメントで溺れ、土台の一つになった。登録なしの日雇い人足だ。誰も気付かず、校舎は完成した。
 と、いう噂。

 校舎と一体化したジニーさんは、壁伝いに移動し、油断した生徒を壁に引きずり込む。
 「トモダチニ、ナロウ」と。

 5人の仲間は、次々犠牲になり、今や一人。
 げた箱直前、追いつかれる。
「うわあ!!」
慌てて躓く。それが功を奏し、スライディングの要領で少年はジニーさんの手から逃れた。
 立ち上がり、転がるように、校舎を飛び出す。

 校庭を走り抜け、ようやく振り向いて、校舎を見た。
 みんな、どうなった?と、少年が心配した時。
 足をつかまれた!ジニーさんだ。
「まさか!」
そう。ジニーさんは学校に埋められた。壁男とは、後でついた名前だ。
 ジニーさんは、校内のどこにでもいる。
 逃げられなかった。




 ありふれた学校の怪談。
 これは、アナタの学校かも、しれない…。

更新日:2011-08-02 22:07:50