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小説

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心霊写真

「これ、作りもんだろ?」
 中学から腐れ縁の友人が指差したのは、ゼミのキャンプでの写真だった。
 実は、俺の後ろに、髪の長いぼやけた女性の姿が写っている。そこは滝壺で、人は立てない。
 不気味という本音もあるが、ネタとしての面白さと、何故か『悪いもの』との印象がなく、持ち歩いては見せびらかしていた。それをヤツは偽物だと指摘したのだ。俺がムキになって否定すると、ヤツは言った。
「だってこれ、中学の時文化祭でお前が女装した時とそっくりじゃん」
言われてみれば。不思議な親近感はそのせいか。だが友よ。俺は自演してまで人の関心を引く程、イタくはないぞ。
「なら、もしかして」
ヤツの予想。それは、俺にも納得出来るものだった。

 次の連休。俺は実家に帰り、親父に写真を見せた。予想は裏付けを得る。
「お前の母さんだな」
俺を生んですぐに他界した母。
「心配してたからな、お前のこと。今も見守ってくれてんだ」
厳つい親父の顔がいつになくしんみりした。

 とはいえ。
 次の感想は、父子、全く共通のものだった。
「セーラー服って。女ってのは、幽霊になっても若くいたいものかね」
 何故か、写真の母がいたずらっぽく笑った気がした。

更新日:2011-07-30 16:25:32