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妹はヴァルキューレ

遂に買ってやった。
高校1年生の夏休みと冬休みと正月を全てバイトに投じて九九式狙撃銃(火薬カートリッジ使用可能モデルガン)を勝った。
12万4千5百円で、九九式狙撃眼鏡とモノポッドが元々から付いて居る。
勿論、この眼鏡、スコープは着脱可能だ。
とあるゲームと出逢い、其処からはもう夢中であった。
この一丁の狙撃銃を買う為に僕は高校一年の大半を捧げたのだ。
そんな俺の名前は東雲幸也。
職業は高校二年生である。
彼女居ない歴=年齢で、所謂童貞と呼称される地位を持っている。
現在は妹であるm「お兄ちゃん!!
ちゃんと話聞いてるの?」
「聞いてるよ。
夕飯だろ?
マコの好きな物にすればいいよ。
お兄ちゃんはさっさと家に帰って今日買った相棒をこんな狭苦しい場所から出してやりたいのだよ」
「もう!
何でも良いってのが一番面倒臭い注文なんだよ!!」
「そうか。
じゃあ、肉を使った料理なら何でも良い」
「‥‥‥」

無言で睨まれた。
彼女の名前は『まこ』、『東雲まこ』である。
通称は『まこちゃん』とか『まこまこ』で俺はマコと呼んでいるのだ。

「うん?」
「え?」

その時だった。
急に何とも言い難いエレベーターとかで味わう様なふわっとした感覚に襲われる。
と、言うか落下する感覚だ。

「うぉおぉぉぉおぉぉ!?!?!?」
「きゃあぁああぁあぁぁぁぁ!!!」

マコと九九式狙撃銃を抱き寄せる。
俺の相棒!
俺の12万!!
俺の妹!!
マンホールを踏み外したか?
いや、絶対にない。
何故なら、普通なら先を歩いていた妹だけが落ち、俺は落ちない筈だ。
第二に、マンホールは落ちる数歩前に通り過ぎた。
マンホールは等間隔で置かれる物だから、マンホールが連続して出会う事は先ずない。
じゃあ、地面が突然陥没?
残念ながら、自身も起ってないし、第一ここは山際で、地盤沈下とか有りえない。
地下にも下水管しか走ってない。
では、下水管が破裂したのか?
馬鹿言うな。
下水管は去年補修工事したばっかなんだよ!!

「‥‥‥てかこれ、落ちるの長くね?」

さっきから一〇分ほど落ちている。
俺の記憶では一〇分も落下するほど高い場所だと、人間呼吸が出来てないと思うし、逆に一〇分も落下する程深い穴だと、とてもじゃないが落ちてる最中糞暑いと思う。

「マコ、今日豚の生姜焼き食べたい」
「でもお兄ちゃん。
この落下をどうにかしないと‥‥」

そうだな。
マコの言う通りだ。

「うん?」

ふと気に成って横に移動してみる。
平泳ぎの動きな。

更新日:2011-07-08 08:54:05

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