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第一章 開かずの間

 昼寝から目覚めた私、そこは大図書館でもない全く見覚えの無い部屋だった。
 窓は無く、真っ白な壁、ごく普通のベッド、安っぽい椅子とテーブル、本がぎっしり詰まった本棚、そして開かない近代的なドア。
 このままでは仕事に遅れてしまう、私は何とかしてこの部屋から脱出しなくては。

 ◇Chapter-1 密室の小悪魔

 まずはテーブルを調べてみた、テーブルには一枚の紙があった。

 『体調は問題なし。行動は異常なし。被験者として取扱え、ただし負傷はさせるなよ』

 「被験者!?」
 一体何の実験に私はこんな部屋に入れられたのだろうか、メモを見る限りでは生体実験のようにも見えるけど。
 それはともかく次はベッド。
 すると何故か私の抱き枕があった、この柔らかさと縫い代の縁のフリルのカバーの特徴は私のに間違いない。だけど何でこんなところにあるのかな、私は寝室で寝るときにしか使わないのに。

更新日:2011-06-22 08:20:50

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