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第三章 『運命』 1989.1月~3月~

 カズの頼んだ車というのは、ホテルの送迎バスをチャーターしていたのだった。
 空港でリーダー達6名を降ろし、待っていてくれるというので一旦バスを降りて和杷達6人と別れの挨拶をする。

 他の大勢は宿泊せずに東京へと戻って行っている。
 和杷に面倒を見てくれたお礼に強引にお土産を持たし、別れた。

 再びバスに乗ると恵美達の地元まで送ってくれるというのだ。
 せいぜい駅位までだと思っていたので仰天してしまう。
「そんな、だって凄い遠いですよ?」
「えぇ、勿論存じ上げております。そういう約束ですので」
 運転手は微笑むと車を発進させる。

 妹は全く怒っていなかった。
 素直にコンサート嬉かっただの、和杷達おねぃちゃんは…と、普通に話していて寧ろ上機嫌と言っても過言ではない。

「そっか、ごめんね?今度からなるべくお仕事入らないように気を付けるから」
「そんなの悪いものぉ~いいよぉ~だってホントに楽しかったの。また行きたい」
「解ったよ。今度東京とかも一緒に行こうね?」
「本当~?わぁぁ~い。行きたい。絶対だよ」
「うん。約束するね」

 無邪気に笑う妹を見て微笑み「少し眠っていいよ」と告げる。
「ううん。大丈夫だよ~もっと話そうよ」
「そっか。眠かったら気にしないで寝ていいからね?」
「はぁ~い」

 とはいっても、2時間強は掛かってしまう道のりだ。
 いつの間にか眠ってしまった妹を確認すると恵美も少し眠ることにした。


 数時間後バスは恵美達の家まで到着した。
 ここでも駅までかと思ったのに、わざわざ告げられていたのか自宅までとは恐れ入ると思い、お礼を告げバスを降りた。



 またいつもの…生活が始まる。

更新日:2009-01-31 13:03:54

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