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第一章 『出会い』 1987.11~
出会いは中学1年の冬…1987年11月…
友達の和杷(カズハ)の誘いから始まった。
「お願い 恵美!どうしても付き合って」
「ん…絶対行かなきゃだめ?」
「すっごいカッコいいんだって。一生のお願い!」
和杷は掌を拝むように合わせ、大きな瞳をつぶり頼み込む。
二人の仲は一緒に仕事をしていて、唯一裏表なく話せる無二の親友とも言える。
身長も体型もにているが、顔立ちが両極端。
恵美は幼い系。
和杷は美人系である。
服装の趣味も顔にあった姫系&お姉系である。
性格も違う二人だが何故か合った。
和杷の家計は芸能一家で一流プロダクションへ所属していた。
一方恵美は母が社長でタレントは恵美1人というワンマンで育て上げており、無所属のタレント。
普通なら相容れない天と地の立場でも、二人は対等に付き合い計り知れない絆があった。
「じゃぁ少しだけだよ」
恵美はしぶしぶOKを出すと、和杷はこの世の誕生を祝うかのような喜びよう。
その姿を見て「ふぅ」と小さくため息をついた。
和杷が行きたがっているのは、アイドルグループのコンサートリハーサル。
恵美はコンサートというより、アイドルに興味がなかった。
理由はないけれど、テレビを見る暇もないので好きになりようがなかったのかもしれない。
それは勿論和杷も承知していたのだが、1人で行くのには勇気がいる。
「本当?ありがとう~恵美大好き」
そう言うと恵美の頬にキスをして抱き付いた
「キャハハやめてよ~」
当日はすぐにやってきた。
「聞いてないよ?こんなに急なんて」
「あはは、ごめん…。超レアって事で許して?」
そう、彼らを生で見れるなんて特殊な物だった。
1988年元旦に行われるコンサートチケットは販売と同時に完売。
予定枚数をはるかに越えた注文で詐欺事件が起きる程社会現象だった。
ファーストアルバムすらも予定枚数を越えた予約で殺到する程だった。
何もかも歴史を塗り替え伝説を作り上げていた。
恵美はそれを和杷から聞かされても『へぇ~』と興味なさげ。
レッスン風景を見ながらも、何も感じてない様子。
和杷はそれを察知して
「ごめん…やっぱり帰る?」
「あ…ううん。ごめんね…ちょっと考え事しちゃった」
慌てて切り替え微笑む。
一瞬時が止まったかのような沈黙…
「そう?ならいいんだけど~無理しないでよね?」
「無理だなんて、とんでもないよ」
「そう?マジ?」
「うん、マジマジ…たださ…私もよく《ママ》とこうしてレッスンしていたな~とか?あの時は辛かったけど、今はいい思い出だよなぁ~とか?」
恵美は苦笑いを零しつつ語る
「そっか…うん」
恵美の母は病気で倒れてしまったのだ。
無所属の恵美にとって母無しでは今後の仕事が危うい…
母が契約してくれた仕事はあと3年はあった。
契約期間を無事遂行していけば高校3年までは活動出来る保障はあった。
だが、ティーン誌のレギュラーだけでは食べて行けるには程遠く絶望という壁が目の前に迫っていた。
なぜなら父が猛反対をしていたからだ。
母の隙を付いて恵美を辞めさせようとしていたから。
東京へ通いで地元北海道からの今の状態
勿論母名義の自宅兼事務所である持ちマンションはある。
だが未成年で仕事も金も危うくなると予測すれば、今先の見えない未来に1人で戦うには大きな壁だった。
あまりにも不安で己の牙を剥き出しにしなければ生きて行けなかった。
友達の和杷(カズハ)の誘いから始まった。
「お願い 恵美!どうしても付き合って」
「ん…絶対行かなきゃだめ?」
「すっごいカッコいいんだって。一生のお願い!」
和杷は掌を拝むように合わせ、大きな瞳をつぶり頼み込む。
二人の仲は一緒に仕事をしていて、唯一裏表なく話せる無二の親友とも言える。
身長も体型もにているが、顔立ちが両極端。
恵美は幼い系。
和杷は美人系である。
服装の趣味も顔にあった姫系&お姉系である。
性格も違う二人だが何故か合った。
和杷の家計は芸能一家で一流プロダクションへ所属していた。
一方恵美は母が社長でタレントは恵美1人というワンマンで育て上げており、無所属のタレント。
普通なら相容れない天と地の立場でも、二人は対等に付き合い計り知れない絆があった。
「じゃぁ少しだけだよ」
恵美はしぶしぶOKを出すと、和杷はこの世の誕生を祝うかのような喜びよう。
その姿を見て「ふぅ」と小さくため息をついた。
和杷が行きたがっているのは、アイドルグループのコンサートリハーサル。
恵美はコンサートというより、アイドルに興味がなかった。
理由はないけれど、テレビを見る暇もないので好きになりようがなかったのかもしれない。
それは勿論和杷も承知していたのだが、1人で行くのには勇気がいる。
「本当?ありがとう~恵美大好き」
そう言うと恵美の頬にキスをして抱き付いた
「キャハハやめてよ~」
当日はすぐにやってきた。
「聞いてないよ?こんなに急なんて」
「あはは、ごめん…。超レアって事で許して?」
そう、彼らを生で見れるなんて特殊な物だった。
1988年元旦に行われるコンサートチケットは販売と同時に完売。
予定枚数をはるかに越えた注文で詐欺事件が起きる程社会現象だった。
ファーストアルバムすらも予定枚数を越えた予約で殺到する程だった。
何もかも歴史を塗り替え伝説を作り上げていた。
恵美はそれを和杷から聞かされても『へぇ~』と興味なさげ。
レッスン風景を見ながらも、何も感じてない様子。
和杷はそれを察知して
「ごめん…やっぱり帰る?」
「あ…ううん。ごめんね…ちょっと考え事しちゃった」
慌てて切り替え微笑む。
一瞬時が止まったかのような沈黙…
「そう?ならいいんだけど~無理しないでよね?」
「無理だなんて、とんでもないよ」
「そう?マジ?」
「うん、マジマジ…たださ…私もよく《ママ》とこうしてレッスンしていたな~とか?あの時は辛かったけど、今はいい思い出だよなぁ~とか?」
恵美は苦笑いを零しつつ語る
「そっか…うん」
恵美の母は病気で倒れてしまったのだ。
無所属の恵美にとって母無しでは今後の仕事が危うい…
母が契約してくれた仕事はあと3年はあった。
契約期間を無事遂行していけば高校3年までは活動出来る保障はあった。
だが、ティーン誌のレギュラーだけでは食べて行けるには程遠く絶望という壁が目の前に迫っていた。
なぜなら父が猛反対をしていたからだ。
母の隙を付いて恵美を辞めさせようとしていたから。
東京へ通いで地元北海道からの今の状態
勿論母名義の自宅兼事務所である持ちマンションはある。
だが未成年で仕事も金も危うくなると予測すれば、今先の見えない未来に1人で戦うには大きな壁だった。
あまりにも不安で己の牙を剥き出しにしなければ生きて行けなかった。
更新日:2009-02-01 12:37:13