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第五章 『学生ライフ』 1990.4~
真新しい制服に袖を通し入学式へと向かう
親が同行しようとしたのを完全拒否したった一人で。
中学とは違い校則がはるかに厳しい
それはお嬢様学校かのように、髪の色は勿論の事髪型や髪ゴムまでの指定があるほど。
当然スカートの丈に至るまで制服は機械のように細かく指定がある。
当時では珍しく赤いチェックのスカートにベスト、白いブラウスに赤い大きなリボンに紺色で赤渕でステッチしたジャケット
現代では当たり前のようなこの制服は恵美の代でリニューアルされた事もありかなり目立ったのだ。
学校へ到着するまでにも『どこの学校?』と聞く人が多く、逐一答えていた。
ようやく学校へ着き張り出されたクラス表を確認し、教室へと入る。
一瞬ざわつくクラスメイト。
中学の時とは違い、恵美が珍しいのだ。
ファッション雑誌や軽くテレビにも出ている人間がいると驚くのも無理のない話だ。
ざわつき誰もが知り合い同士ごそごぞと話し、見せ物状態になっている恵美に話しかけて来る一人の少女がいた
「おはよう。学校ここにしたんだね~」
「え…?あぁっと…おはよう、そうなの。って、どうして?」
「合格したのは聞いていたけど、結局行かないんじゃないかって学校で噂だったから」
「噂??う~~ん。来たくなかったけどね。とりあえず」
「ね、恵美ちゃんって呼んでいい?私の事≪愛子≫って呼んで?」
「うん、全然いいよ? 愛子ちゃん」
「ちゃんいらないのにぃ~ま、そのうちはずしてくれたらでいいや」
凄い明るい子でニコニコしている子。
それが第一印象。
恵美は正直殆ど愛子の話は上の空で聞いていた。
ほんの数日前とは天と地程ある生活に付いて行ってないのだ。
「恵美ちゃんは誰が好きなの?」
「え?えぇ?何が?」
「ごめん、もしかして有名な話?中学の時話した事ないもんね?」
聞いてなかったとも言えず無言でいる、というより返答に困っていると愛子から口にする。
「私はねタケル君がいいんだぁ~」
一瞬で判明する。
カズ達グループの話題だった…。
「あぁ~タケル君!そうなんだぁ~」
信じられない位目が輝き、ただボーとしていただけの時とは違い自分から話しを始める。
妙に一瞬で気が合い話しに盛り上がっていると、気が付けばクラスの殆どが集まってきていた。
皆が自分は誰が好きで、どの歌が好きで、コンサートは何回行った事ある!とか…あえて自分の行っている回数なんて言える訳がない程の少ない数。
チケット取れなくて行った事無い子も多い位…
けれど田舎なりにみんなが必死で応援しているのが伝わり嬉しく思う。
「ね、恵美さんって…あの恵美??」
一人が脈絡無く質問をする。
「え??えぇ…っと、たぶん?」
かなりの疑問系の返答をすると『やっぱりぃ~』と、話がそれる。
正直そう騒がれるのがあんまり好きではなく、困っていると愛子が突然助けてくれる。
「あ、あのね?私が言うのも変なんだけど、恵美ちゃんって中学の時でも≪特別扱いしないで≫って言う子だったんだよね、だからきっと…その…」
静まり返った冷たい空気に耐えれなくなったのか、愛子は言葉を詰まらせてしまったので自分から切り出す事に。
「そう言う事なの。コッチにいる時は普通でお願いしたいなぁ~って思うんだよね。一緒に悪さもするしぃ?」
最後をふざけて言うと一瞬で場が戻り、爆笑を取れる。
すると担任が入ってきて『座れぇ~』と命令口調。
集まっていた子は急いで席へ着き話を聞く事になる。
ゾロゾロと体育館へクラス単位で移動をしていく。
長い校長の話しを聞いたり、教員の紹介だったり、生徒の祝辞だったり…ありきたりな入学式を再びボーとしながら参加している恵美。
皆の両親は娘の晴れ姿?に感動しているのか笑顔だったり涙だったり、写真まで撮っていたりと浮かれている。
内心少し寂しくも思う。
けど、父親を拒否した事ではなく天国の母親に対してだ
小さくため息を付き俯いてしまう…
親が同行しようとしたのを完全拒否したった一人で。
中学とは違い校則がはるかに厳しい
それはお嬢様学校かのように、髪の色は勿論の事髪型や髪ゴムまでの指定があるほど。
当然スカートの丈に至るまで制服は機械のように細かく指定がある。
当時では珍しく赤いチェックのスカートにベスト、白いブラウスに赤い大きなリボンに紺色で赤渕でステッチしたジャケット
現代では当たり前のようなこの制服は恵美の代でリニューアルされた事もありかなり目立ったのだ。
学校へ到着するまでにも『どこの学校?』と聞く人が多く、逐一答えていた。
ようやく学校へ着き張り出されたクラス表を確認し、教室へと入る。
一瞬ざわつくクラスメイト。
中学の時とは違い、恵美が珍しいのだ。
ファッション雑誌や軽くテレビにも出ている人間がいると驚くのも無理のない話だ。
ざわつき誰もが知り合い同士ごそごぞと話し、見せ物状態になっている恵美に話しかけて来る一人の少女がいた
「おはよう。学校ここにしたんだね~」
「え…?あぁっと…おはよう、そうなの。って、どうして?」
「合格したのは聞いていたけど、結局行かないんじゃないかって学校で噂だったから」
「噂??う~~ん。来たくなかったけどね。とりあえず」
「ね、恵美ちゃんって呼んでいい?私の事≪愛子≫って呼んで?」
「うん、全然いいよ? 愛子ちゃん」
「ちゃんいらないのにぃ~ま、そのうちはずしてくれたらでいいや」
凄い明るい子でニコニコしている子。
それが第一印象。
恵美は正直殆ど愛子の話は上の空で聞いていた。
ほんの数日前とは天と地程ある生活に付いて行ってないのだ。
「恵美ちゃんは誰が好きなの?」
「え?えぇ?何が?」
「ごめん、もしかして有名な話?中学の時話した事ないもんね?」
聞いてなかったとも言えず無言でいる、というより返答に困っていると愛子から口にする。
「私はねタケル君がいいんだぁ~」
一瞬で判明する。
カズ達グループの話題だった…。
「あぁ~タケル君!そうなんだぁ~」
信じられない位目が輝き、ただボーとしていただけの時とは違い自分から話しを始める。
妙に一瞬で気が合い話しに盛り上がっていると、気が付けばクラスの殆どが集まってきていた。
皆が自分は誰が好きで、どの歌が好きで、コンサートは何回行った事ある!とか…あえて自分の行っている回数なんて言える訳がない程の少ない数。
チケット取れなくて行った事無い子も多い位…
けれど田舎なりにみんなが必死で応援しているのが伝わり嬉しく思う。
「ね、恵美さんって…あの恵美??」
一人が脈絡無く質問をする。
「え??えぇ…っと、たぶん?」
かなりの疑問系の返答をすると『やっぱりぃ~』と、話がそれる。
正直そう騒がれるのがあんまり好きではなく、困っていると愛子が突然助けてくれる。
「あ、あのね?私が言うのも変なんだけど、恵美ちゃんって中学の時でも≪特別扱いしないで≫って言う子だったんだよね、だからきっと…その…」
静まり返った冷たい空気に耐えれなくなったのか、愛子は言葉を詰まらせてしまったので自分から切り出す事に。
「そう言う事なの。コッチにいる時は普通でお願いしたいなぁ~って思うんだよね。一緒に悪さもするしぃ?」
最後をふざけて言うと一瞬で場が戻り、爆笑を取れる。
すると担任が入ってきて『座れぇ~』と命令口調。
集まっていた子は急いで席へ着き話を聞く事になる。
ゾロゾロと体育館へクラス単位で移動をしていく。
長い校長の話しを聞いたり、教員の紹介だったり、生徒の祝辞だったり…ありきたりな入学式を再びボーとしながら参加している恵美。
皆の両親は娘の晴れ姿?に感動しているのか笑顔だったり涙だったり、写真まで撮っていたりと浮かれている。
内心少し寂しくも思う。
けど、父親を拒否した事ではなく天国の母親に対してだ
小さくため息を付き俯いてしまう…
更新日:2009-01-31 13:15:12