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プロローグ

「良い朝ですねぇ」

 朝日に照らされ輝きを増している金色の髪が風で、波を打つかのようになびいている。
 
「失礼します」
 
「どうぞ」
 
 ノックとともに眼鏡を掛けた中年の男が入ってきた。
 
「どうかしましたか?」
 
 金髪の女性は窓の外を見つめながら訪ねた。

「ええ。例の剣の事なんですが……」
 
「何かわかったんですか?」
 
「はい。その……適合者がわかりました」
 
 驚いたのか金髪の女性は男の方に振り返った。
 
「それは本当なんですか!?」

「はっはい! これが報告書です」 

 金髪の女性は男から報告書を受け取り、全てに目を通した。
 そこには一人の少年の情報が細かくしるされていた。

「どういたしますか?」

「後の事は私に任せてください。あなたは自分の仕事もありますしね。ありごとうございました」

「はい。それでは」
 
 男は一礼をし部屋を出て行った。
 男が出て行った後、報告書を改めて見た金髪の女性の口元は笑っていた。

更新日:2012-03-29 22:41:51

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