『本番5秒前ー！　4……3……2……1……キュッ』

「皆さん、フレッシュレモンになりたいのー！　研究生のみおりんこと市川美織です！」

ペコ。

「ついに今回で最終回になりました。寂しいです……しかしながら今回のお相手、緊張です」

『前田敦子』

「前田さん……緊張します……では行きましょう」

ガチャ。

「すいませーん、失礼します」
「ん？　ああ、レモンちゃん！」
「総選挙直前特別インタビューです」
「ああ、知ってる！」
「ご存知でしたか？」
「たかみなが泣かされたって聞いたよ。私も泣かされるの？」
「いやいやそんな、泣かしたなんてことはないですよ」
「えー、そうなの？」
「身長測っただけですから」
「身長？　あー……なるほどね」

「で、では、まず自己紹介をお願いしていいですか？」
「はい自己紹介ね」
「あ、いや、無理ならいいです……」
「いや無理じゃないよ！　……てかちょっと待って」
「あー、はい何でしょうか？」
「そんなに私って近づきにくいかな？」
「ええ？　そんなことないですよ」
「レモンちゃんだって、さっきからビビッてばっかり」
「いやだって前田さんは……私がAKBに入る前から活躍は知ってましたし……雲の上の存在というか」
「そんなに？　私はただの、チームAのメンバーだよ」
「そうですけど……」
「私が人見知りなのがいけないんだけどさ。もっと後輩のことも知りたいんだよね」
「わかりました……じゃ、今回は遠慮なく質問させてもらいますから」
「うん。それでいいよ」

「はい。では自己紹介をお願いします」
「えーと、チームAの前田敦子です」
「前田さんはキャッチフレーズ無いんですよね」
「うん……無いね」
「何で作らないんですか？」
「思い浮かばなくて……そのままここまで来ちゃった」
「本当に思い浮かばなかったんですか？」
「いやー、実際のところは、恥ずかしかったから」
「じゃあ、今作りましょうよー。『センターは当たり前田の前田敦子』なんてどうですか？」
「それだけは絶対無理」