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第9話 佐久間翔太郎の生い立ち その3
僕がもっと早く悪夢から目覚めて居たら。守ってあげられたのに。
母はもう臨月。父は、母一筋の優しい人でした。
でも知ってしまったのです。母のお腹の子が自分の子ではなく、別な男の子であることを…。
僕は悪夢から目覚め、枕を抱えてマサの部屋へ行くと何やらうめき声が…部屋をのぞくとマサと目が合った!
マサは僕を見て首を振り、目で〈来てはイケナイ!〉と訴えていた。それも大好きなパパに大切なマサが犯されるところだった。
その時僕に、もっと勇気があれば!マサを助けてあげられたのに…足がすくんで1歩さがることしか出来なかった。その時の光景が一生付きまとうことになろうとは。
パパは泣きながらマサを抱いていた。部屋を去る前に、【すまないことをした。許してくれ。】と言いながら部屋を出て来た。僕は部屋の入り口で固まって居た。。
【翔太郎…まさか…】僕は父を憎むことしか出来なかった。
【すまない…ママには内緒にしといてくれ。】僕は何も言わなかった。言えなかった。裏切られた思いだった。さらにその後、母にも裏切られたことを知ることになろうとは。
うちの家族は三人共O型なのに、生まれた弟がB型で、名前も太郎が無かったことに疑問を抱いていたが、学校で血液型の勉強をして初めて分かった。
名前は、『禅』僕の弟。父親が違う!
母が昔、好きだった男。父の親友。
それを知ったのは、さらに後だが、『禅』はそのことをかなり前に知らされて居たらしい。
僕が知ったのは、大学に進学が決まった時だった。禅が打ち明けてくれた。弟には変わりないが、やはり両親は許せなかった。
あの日以来、父とはまともに口をきいていない。
僕は、マサがまたあんなことをされないように、その日からマサの部屋で寝ることにした!
しかし、長くは続かなかった。
マサは、たった一度の事で、父の子を身籠ってしまったから。
2ヵ月後、マサはこの家を去って、借金は父が払ったが、認知も慰謝料もマサは拒否した。
すべての事実を知った上で、婚約者とすぐに結婚した。
どこに居るかも僕には知らされなかった。。ただ最後に、
「マサは、いつでも坊っちゃんの味方ですよ!」と優しく抱きしめながらほっぺにキスをしてくれた。
それ以来二度とマサに逢うことは出来なかった。
2006/10/25 (水)
母はもう臨月。父は、母一筋の優しい人でした。
でも知ってしまったのです。母のお腹の子が自分の子ではなく、別な男の子であることを…。
僕は悪夢から目覚め、枕を抱えてマサの部屋へ行くと何やらうめき声が…部屋をのぞくとマサと目が合った!
マサは僕を見て首を振り、目で〈来てはイケナイ!〉と訴えていた。それも大好きなパパに大切なマサが犯されるところだった。
その時僕に、もっと勇気があれば!マサを助けてあげられたのに…足がすくんで1歩さがることしか出来なかった。その時の光景が一生付きまとうことになろうとは。
パパは泣きながらマサを抱いていた。部屋を去る前に、【すまないことをした。許してくれ。】と言いながら部屋を出て来た。僕は部屋の入り口で固まって居た。。
【翔太郎…まさか…】僕は父を憎むことしか出来なかった。
【すまない…ママには内緒にしといてくれ。】僕は何も言わなかった。言えなかった。裏切られた思いだった。さらにその後、母にも裏切られたことを知ることになろうとは。
うちの家族は三人共O型なのに、生まれた弟がB型で、名前も太郎が無かったことに疑問を抱いていたが、学校で血液型の勉強をして初めて分かった。
名前は、『禅』僕の弟。父親が違う!
母が昔、好きだった男。父の親友。
それを知ったのは、さらに後だが、『禅』はそのことをかなり前に知らされて居たらしい。
僕が知ったのは、大学に進学が決まった時だった。禅が打ち明けてくれた。弟には変わりないが、やはり両親は許せなかった。
あの日以来、父とはまともに口をきいていない。
僕は、マサがまたあんなことをされないように、その日からマサの部屋で寝ることにした!
しかし、長くは続かなかった。
マサは、たった一度の事で、父の子を身籠ってしまったから。
2ヵ月後、マサはこの家を去って、借金は父が払ったが、認知も慰謝料もマサは拒否した。
すべての事実を知った上で、婚約者とすぐに結婚した。
どこに居るかも僕には知らされなかった。。ただ最後に、
「マサは、いつでも坊っちゃんの味方ですよ!」と優しく抱きしめながらほっぺにキスをしてくれた。
それ以来二度とマサに逢うことは出来なかった。
2006/10/25 (水)
更新日:2009-01-06 19:20:19