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小説

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「殿下!」
人前なので、あえて名前は呼ばない。
やっと探し出した帝辛は、帝鴻となにやら話をしていた。
人の来ない離れの場所・・・もしかしたら密談をしていたのかもしれない。

「・・・・・」
昔、会ったことは一度しかなかったが、煌凛はしっかりと憶えている。
その姿は、二十年前と全く変わっていなかった。
昨日の朝儀の記録書を思い出す。
煌凛の思っていることが本当なら、目の前のこの男は百五十歳は越えている。
そんな馬鹿げた話、誰も信じてくれないだろう。

「・・・貴女は」
先に声をかけたのは帝鴻のほうだった。
「蘇護殿の娘ですね」
銀糸のような髪に深い赤の瞳、整った顔立ちの優男だ。

ただ、顔の印象がそう思わせるだけで、実際には帝辛よりも一回りほど大きい・・・ 帝辛は、小柄でとても華奢な人物だった
「よく憶えてますよ、とてもお美しくなられましたね」
そう言って微笑を浮かべた。
「貴方は、全くお変わりがありませんわ」
皮肉を込めて煌凛はそういったが、帝鴻は全く、そう受け取らなかったようだ。

更新日:2011-05-14 18:39:07