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小説

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「お前も飽きぬな」
ため息交じりで、帝辛は呟いた。
ここは書斎、朝儀の記録はもちろん、宮中の記述がすべてこの部屋に収まっている。
許可がなければ、誰も踏み入れる事はできない、もちろん煌凛もそうだ。
そのため、ここに来るために、毎回、帝辛もつき合わされているのだ。
昼間では人が居るため目立つ、行動を起こすのは決まって夜だった。

「九妃の言葉ではないが、本当にお前は朝儀にでも参加するつもりか」

「もちろん、そこまででしゃばらないわ」
煌凛は口を尖らせて怒った。

「朝議は官でも、参加するのは許されないほどのものだもの」

宰相と三候、そして将にのみ許される場所だった。
そして、常に朝歌(商の首都)に居る宰相と違い、三候はそれぞれの地方を守っているし、将も離れて暮らしている。
定期的な行事であるが、国を大きく動かす大事なものだ。それを自分のような者が口を出していいはずが無い。

「だけど、これは貴方の仕事だから」
暗い書斎のなかをわずかな明かりを頼りに、借りていた書を戻し、さらに横にある書に手を伸ばした。
「貴方がどのような仕事をして、どのように勤めてきたか・・・わたしは知りたい」
薄暗い中だったが、彼女の表情はよく解った。
誇らしげに微笑みかけている。

更新日:2011-05-14 17:56:06