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小説

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九金莎が訪れる、
煌凛の部屋・・・一回り以上の年齢の彼女は大人の落ち着いた雰囲気がある。
部屋もそんな雰囲気なのだろう。
そんな想像は、一瞬で吹き飛んだ。

「なっ」
足の踏み場も無いほどの、書物、巻物
そして、そのなかに埋もれるように、読みふける煌凛の姿があった。

「九妃様」
その人物に気づいた煌凛は微笑みかける。先ほどよりもずっと、生き生きとして見える。

「貴女は一体、何をしているのですか」
「今は政について学んでおります」
煌凛は手にしていた書物を九金莎に渡す。少し読み進めた九金莎は、それがなんであるか理解した。

「朝儀の記録・・・」
「そうです、九妃様」
朝儀とは、天子が執政し、群臣と会見する所においておこなわれた、さまざまな公の儀式の事だ。
任官、叙位、改元等、政のすべてが記録として残されている。

「こんな途方も無い量を・・・」
考えるだけでも頭が痛くなる。

「ですが、始めなければ、何も得られません」
煌凛は笑う。

「今までこのようなことに関わりませんでした・・・時間を惜しむほど、これから学ばなければなりません」
「何故?」
九金莎は訳がわからなかった。
「女の身で朝儀にでも参加されるつもり?」

更新日:2011-05-14 18:09:57