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気が付いた事と決意

紹介が遅れたけど、私は川那明奈(かわなあきな)。
水鳥市に住む水鳥高校の二年生。
最近、悩み事や不安で堪らなかったの。誰にも相談出来なかったし………
そうしたら、街で偶然見かけた「占い・悩み・相談乗ります」という看板が目に入った。
何故だが、とてもそのお店に惹かれた感じがあった。
ここなら悩みとか不安とかが解決しそうな感じがしたの。
思い切って飛び込んだの。
そのお店で出会ったのが、竜昇先生だった。
私の愚痴を一時間以上聞いてくれて、それから今抱えている不安や悩みを全部打ち明けた。
竜昇先生は、
「若い娘さんにありがちな悩みです。みんな同じ様な悩みを抱えています。それを相談出来るかどうか? 相談できる方が居るかどうかで変わってきますよ?」
と、諭してくれた。
想像していた占い師とはどこか違っていた。暖かい温もりを感じたのだ。
お値段は3000円だった。あれだけ喋って、相談に乗って答えてくれたの安いと感じてしまった。私の小遣いでは少し厳しかったけどね。
「私達占い師はあくまで助言者です。選択するのはあなたなのですよ」
この言葉を聞いた時、私の中で何かが弾けた気がしたの。
もしかしたら、わたしもって……
誰かの役に立てたなら凄い事かなって。
それから家に帰って、ネットのサイトを見て回ったの。
色んな占いがあった。キャラクター占いから、血液占い、独自の占いをしている所もあった。有名な占いも載っていた。
どれもが本格的だった。中にはこれは凄いと思ったのと、完全な遊びの占いだなって思うのもあった。
少し気になったのが利用者の多さだった。
今悩みを抱えている人たちが増えているのはニュースとかネットで知っていたけど、少し検索しただけでかなりの量が出たのだ。
今の時代に不安を感じている閉塞感が原因じゃないかなって素人の私でも理解出来た。
だから、カウンセラー的な存在が必要なのだって感じた。
私が行った店、竜昇館もカウンセラー的な役割を果たしていたのだなって気が付いたの。
そう思った時、胸の高まりが止められなかった。
ああ、私も占い師になれたらって。本格的に思ったのはこの時が初めてだった。

更新日:2011-05-08 13:20:46

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もしウラ(もしも私が占い師になったら)