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浄化法。セージの葉って?

「……あんな遊び半分の同好会じゃ、俺の霊感制御という目的には合わなかったからだ。それにこいつらから感じた何か?の方が俺の為になると判断したからだ。実際そうだったしな」
何か?……もしかしたら村田君、最初から竜昇先生の事を感じていたのかな? それで私達と一緒にやる気になったんだ。納得。
「遊び半分って何よ! オカ研には民明先生がついてるのよ!? あの方はかなりの腕前だし、霊能にも詳しいわ! そう説明したじゃないの!」
「……なんか変な人がついてる可能性あるね。オカ研には? ねぇ明奈」
「……みたいだね」
民明先生か……村田君は竜昇先生には物凄く感心していて、悪くは言ってなかった。民明さんってどんな方か知らないけど、村田君知ってるのかな?
「……あの似非霊能者の事か! 会った事あるが偽物だったじゃねーかよ?! 人を脅すような事言って、変なサ-クルに勧誘して来たぞ!」
「まー!! 民明先生を侮辱するなんて許せないわ!……いいわ。この事は報告させてもらいます。覚えてらっしゃい!!」
バタン!!! とドアを閉めて出て行ってしまった……
何か怪しい人と関わってるのかな、オカ研って……?
それから村田君は不機嫌だった。何も喋らないし。竜昇先生に聞いてみるかな?
こうして、再び竜昇館に三人で行く事になったの。

竜昇館についた頃には夕方になっていた。
「あれー? この間の娘さんじゃない?」
あ、金井美香子さんだ。また相談に来てたんだね。というより雑談しに来た感じだったけど。
「ええ。竜昇先生に相談したい事があって……」
「……何か深刻そうね? 私も居ていいかしら先生?」
「構いませんよ、金井さん」
竜昇先生にオカ研の事や、民明さんについて話した。そうしたら……
「………また彼女ですか」
「知ってるんですか?」
「……やっぱりな。悪名だろうよ」
「ヤバい感じなのかな?」
暫く竜昇先生は考え込んでいたが、答えてくれた。
「彼女とは同じ師の元で学びました。ですが彼女に才能……霊能は殆ど有りませんでしたし、それを悪用しようと考えていた節が当時からありました。それから数年後霊媒師として活動していましたが、何やら問題を起こして警察と揉めたと言う話を聞きました。最近になって活動を再開したと言うぐらいは聞いてましたが……」
「へぇ、あの噂の悪徳霊能者ね」
美香子さんが答えた。会った事あるの?
「私が一度だけ行った事あったのよ。確か……救いの館って名前だったかしら? 相談する事とかかなり書かされて、予約制だったわ。そして占って貰ったんだけど。『貴女には悪い未来しかありません。直ぐにこのお札とパワーストーンを買いなさい』ってね。『そうでないととんでもない事になりますよ』って。……脅されたのかな? それから心配になって竜昇先生に出逢ったのよ」
「そうだったんですか。かなりあの時は怯えていましたね……しかし、彼女変わっていませんね。霊感商法じゃないですか……高校生にまで悪影響を与えているのか。どうにかしないといけませんね。でないと……」
流石に竜昇先生も悩んでるようだった。やっぱり偽者だったんだ……オカ研の人達大丈夫かな?
「……少し調べてみてみましょう。彼女はホットリーディングやコールドリーディングを使用してますね。そこまでならいいが、サークル……怪しげな団体を作ってる可能性もありますね。君たちは絶対に関わらない様に! 彼女は蛇のような性格ですからね」
「やっぱ、似非霊能者だったのかよ。それにしても性質が悪いな……」
「うわー、やっぱり居るんだねそう言う人。クワバラクワバラ」
「……オカ研の人達大丈夫なんでしょうか?」
「……最悪の場合、警察沙汰の可能性もあります。あなた達は関係しない方が良いでしょう。私も動きますから心配しないで」
「やっぱり、偽物だったのね~?……あの時請求されたお金返ってこないかしら?」
・・・・・・美香子さんも被害者なんだな。
「では、この件は一度忘れてセージの葉による浄化法を教えましょう。セージの葉は私の店でも扱ってますし、今回は民明の件が関わっていましたから、無料であげましょう!」
やっぱり、竜昇先生は違うなぁ。高校生の懐具合をよく知ってるなぁ。助かったけどね。

更新日:2011-05-16 14:44:24

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