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no.31 ~ 35

no.31
私は一口大に切ったそれを、口の中に放り込む。ゆっくりと噛む。ポリポリと心地よい歯応え。だけど不味い。仕事一筋だった父が漸く定年になって、初めて漬けた沢庵。些細な切欠でつまらぬ口論になって……。その翌日、父は突然帰らぬ人になった。やたら塩っぱくて苦い、後悔の味。
#twnvday(お題:たくあん)
Twitter for iPhone 11/07/14

no.32
古いアルバムを開く。何気に据えた匂い、色褪せた写真。懐かしい想い出が、一気に甦る。甘美な感傷。甘酸っぱいような、切ない気持ちに胸締め付けられる。“一瞬”の中に閉じ込められた私。現在もあの中で生き続けているのだろうか? 輝いていたあのままで……。
#twnovel
Twitter for iPhone 11/07/16

no.33
すぐ近くにありそうで 決して触れることの出来ない 向こう側の世界
#twpoem
Twitter for iPhone 11/07/19

no.34
朝の通勤電車、幸運なことに座ることが出来た。隣の若い女が寝ている。車両が揺れる度に、私に寄りかかる。髪の匂いが鼻をつく。イヤだと感じるのは、私が女だからだろうか? 男の人なら、見知らぬ女でも若くてキレイだったら、許せるものなのだろうか?
#twnovel
Twitter for iPhone 11/07/19

no.35
彼女はいつも優しくて味方で、僕に尽してくれる。それは「あなたを好きだから…」と彼女は言う。じゃあ「好きじゃなかったら…?」僕の問いに、彼女は何も言わず微笑むだけだった。本当は「好きじゃなくなったら…?」失うのが恐くて僕は訊けない。失うのが恐くて本当のことを。
#twnovel
Twitter for iPhone 11/09/05

更新日:2011-09-06 17:41:20

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