骨と散った死の連鎖の前で。 『エンマ』感想 1

 講談社、KCライバルコミックス、『エンマ』のレビューになります。
 一巻を対象に、エンマから見えてくる死の本質、というものをニーチェの視点で語ってみましたが・・・。うーん、そんなオオゲサなものではないかもしれない(笑)

 ネタばれの部分も、大いにありますので、まだ『エンマ』を未読の方はご注意ください。
 そして、この解釈は、あくまでも底が見えないほど深い『エンマ』世界を徘徊する、一つの道しるべでしかありません。
 ハイデガーがドゥルーズなどが語るニーチェが、「私」にとって重大でないのと同じように、「私」が語る「エンマ」は、あくまで私のものであって、『エンマ』のページを軽い興奮とともにめくっている「あなた」のものではないからです。だけど、そのように多様な解釈を許すところが、『エンマ』の大きな魅力だという事は、皆の意見の一致するところでしょう。
「これはぼくの『エンマ』だ。きみのエンマはどれだ? 」