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小説

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★【91】レモンの木の下で(原稿用紙100枚)

 大学院の博士課程に進んでいた29歳の修平は、研究室での実験生活だけという自分の日常生活に疑問を感じていた。そんな時に同級生が交通事故で突然亡くなる、何故だか虚しさを感じる修平だった。

ある日公園で眠っていた修平に《ベンチを描きたいので邪魔になるからどいて!》という声が掛かった。何と修平に声を掛けてきたのは修平と同じ高校で同じクラスにいた保奈美だった。

保奈美は高校を中途退学していてそれ以来の再会だった。高校生の時の保奈美の印象はいつも絵を描いている姿だったが、その保奈美はいまだに絵を描き続けていた。

どうしても再び保奈美に逢いたくて、修平はレモンの木まで行く。保奈美も修平との再会を期待して、2人分のサンドウィッチとワインを手にして公園に向かう。互の意思に導かれた2人は、より親密な時間を手に入れることとなる。

2人で話すようになたある日、保奈美は絵を描き続けているきっかけとなったノーマンロックウェルの本を見に来るように修平を誘う。高校生時代にこの本と出会った保奈美は、それが絵を描く原点になった話した。

そして保奈美は修平にノーマンロックウェルの《Runaway》を観るように勧めた。家と大学の実験室という閉鎖的な世界にずっといた修平にとって、その1枚の絵は大きな影響を与えた。

修平は最終的に世界中を見て歩きたいという理由で大学を休学した。修平はボストンにいる友達の所へ行くつもりだったがその話を聞いた保奈美がノーマンロックウェル美術館に一緒に行きたいと言い出す。2人はボストンへの旅を楽しむ。

保奈美は修平が歩くべき道筋を見失っている時に自分が出会ったことに罪悪感を覚える。保奈美は修平がしっかりと自分の道筋を見つけた時にまた会えたらいいと考え修平の前から姿を消すことを決心する。

保奈美が決めた最後の夜を保奈美の部屋で過ごした修平が、保奈美の高校時代のノートを見つける。修平が休んでいた時の授業をノートしてくれて修平の机に忍ばせてくれたのが保奈美だったことを修平が気づく。

突然姿を消した保奈美から手紙が修平の元に届く。修平はその手紙を何度も読み返し、保奈美の真意を見極めようとした。

果たして修平が保奈美からの手紙から読み取った内容とは・・・?そして手紙を受け取った修平が取った行動とは・・・?