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小説

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9本目:札神様ー興ノ憚ー

 嗚呼、どうしてだろう。

 この家に嫁いでから、嫌なことばかりだ。

 日常生活はすべて、お手伝いのオタエに監視されてるし。

 姑にはいびられるし。

 夫とて、愛でるといえば裸にされて、あちらこちらを舐めまわされるだけで。

 日のほとんどは酒を食らいながら暴力をふるう。

 しかしまぁ、女は我慢しなくてはならない生き物だ。

 この家に嫁いだおかげて、傾いていた実家の酒蔵は持ち直したし、幼い弟妹は食いつなぐことができる。いいじゃないか。ワタシ一人が不幸で、全てが救われるのならば。

 
 そして、ワタシは児を身ごもった。

 夫の児ではない。

 狐の子だった。

 ワタシは妖怪を産むのが怖くなって、児を堕ろした。

 その時にから、ワタシは児を宿せない女になった。

 そして、オタエの睨みも、姑のいびりも、夫の暴力もひどくなった。

 夫はワタシを地主に一晩売ったりさえもした。


 いいや、借金のかたにいろんな男に抱かせた。
 
 児を宿さないワタシは大変に重宝されたのだ。

 そして、幾分時が去った。

 オタエが死んだ。
 
 原因はわからない。ただ、井戸の底に沈んでるのを、姑が発見した。

 七日後。

 姑が死んだ。

 原因はわからない。

 ただおそろしさに目を見開いて、発作を起こして死んでいるのを夫が発見した。

 十四日後。

 夫がワタシの首を絞めてきた。
 
 「お前が、お前が殺したのだろう。俺はそうはいかないからな!」

 ワタシは、近くの手斧をつかみ。夫の頭を割った。

 ワタシは思い出した。
 
 嗚呼、ワタシは狐の児を産んでいた。

「母御前様。ワタシ、母御前様を虐げるモノはすべて排除します。だからワタシと来てください」

 ワタシはどうしようもなく。

 笑ってた。
(ー狐ノ憚ーに続く)










 ろうそく9ほんきーえた。
 ふっ。
 

更新日:2011-02-20 13:36:01

百物語だぉん(´;ω;`)ガクブル!短編集MAX