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神のゲーム

・・・《ゲンキ》・・・

まるで思いつかない修行。
やっぱりシンさんやカザマさんのような師匠と言える人が必要なのかもしれない。

俺たちの頭は考えすぎで、もうパンク寸前だった。
だが、そんな中、ナオトの姿はない。

「ナオト、ほんとにどうしちゃったんだ・・・?」

「やっぱりもう1回だけ探してみよっ?」

「そうだな。あいつ学校には来てんだろ?」

現在は昼休み。
教室や廊下で仲の良い友達と喋り続ける生徒、校庭で元気いっぱいに遊ぶ生徒、やってない宿題に打ち込む生徒・・など、学校の生徒はそれぞれ思い思いのところで思い思いのことをしている。

そのため、用がある生徒がなかなか見つからないこともざらだ。

「たぶん、来てると思うけど・・・」

「そんじゃ手分けして、探すか。」

俺の提案にソラは深く頷いた。

「私は校庭に行ってみる!!!」

それから数分。
いつになっても、ナオトは見つからない。

「あと探してないのは・・裏校か。じゃあ、見つかったら、呼んで。」

裏校とは、本校舎とは別に設けられているもうひとつの北校舎のことだ。
図書室などもその校舎にあるが、本を読む人は少ないため、本校舎と違って、人がかなり少なく、廃校になった学校のようになっている。

「そんじゃ、こっちも見つかったら、校庭行くわ。」

「うん、お願い。」

渡り廊下をわたり、裏校へ入る。
裏校は2階建の構造となっているが、2階にいたっては、本当に誰もいない。

「決めたよ。俺は行く。そっちの世界へ・・・」

「君ならきっとそう言うと思ったよ。」

しかし、俺はそこで聞いたんだ。
それはたしかにナオトの声だった。

更新日:2010-12-31 15:53:13

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