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狂った男

「えっ、何がだよ。グッドアイディアじゃねぇかよ!!!」

「お前さぁ、こんな女の子を一人、あんな変態に差し出すってのかよ!!!」

「そうだけど?」

女心が分かってないっていうか。
非常識っていうか。
もう呆れてものも言えないって感じだな。

「あんな変態、ちょっと関わっただけで何されるか分かんねぇんだぞ。」

「そ、そうか・・」

「俺がやってみる。」

俺にはいろいろと策があった。

「やるってどうすんだよ?」

「まぁ、見てなって。おーい、そこの君。」

俺は例の男を呼んでみた。
初めは自分のことだと気づいていなかったみたいだが、俺と目があった瞬間、自分が呼ばれてることを理解したみたいだった。

「な、なんですか?」

間近で見ると、突き出た出っ歯と瞑っているかのような細い目がより際立った。

「あのさぁ、君、そういうことしてて、ばれないと思ってんの?」

「えっ、え、、何が? えと、その、俺は何もしてない、え、え」

俺がそんな風に問いただすと、いきなり男は取り乱し始めた。
細い目をパチクリさせるのが、息が荒くなっている。

更新日:2010-12-23 20:38:47

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