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永遠の奏  『羽根』 5


それからの記憶は微かにしかなかった



空中を舞い地面に叩きつけられた



それから・・・




次に憶えているのは、車に乗せられている事と物凄い激痛が体中にあった事だけであった





医者は淡々と現実を語っていた





『それで、永遠君の生命の危険性を回避する為にも致し方なかったんだ。本人に確認したくても君は昏睡状態、また一刻を争う時でお母さんに話をし、手術を行ったんだ』





『・・・』





一体どこの手術を行ったと言うんだ・・・





俺は花音を見た




彼女は、俺をじっと涙目で見つめている




命あっての事だから・・・




医者がそう言ってたな




確かに、その通りかもしれない




だけど、俺は何がどうなったのか全然把握しきれていない




何が起きたんだ






『先生・・俺、どこを手術したんですか?』




花音が涙をボロボロながしながら病室を出ていった





『花音ちゃん!花音ちゃん!』




母さんは花音を追いかけた




医者はやるせない顔をして立っている





少しの沈黙の後、医者は聞いてきた





『永遠君、脚の方は痛むかい?』




『痛いですね・・なんか・・変な感覚があります。痛みのせいかわかんないけど自由に動かない感じです』




『・・・』





俺はその時に自分に起きた事を知る事になった






「何か嫌な予感がする・・・」




痛む体の力を振り絞った



医者や看護婦が俺の体を押さえつけようとした







『放せ!!』






俺は大声で怒鳴った




自分の体に掛けられた布団を力いっぱい剥いだ












『うわぁぁぁぁーーー!うわぁぁー!!』


















俺の左足が無かった・・・























更新日:2010-05-17 10:21:05

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