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小説

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My house 「ホームシック」

 rabbit fieldに、ゆっくりと秋がやってきました。夜になると小さな虫たちの
演奏会が始まります。ラビフィーは少し長くなった耳をふわっと揺り動かし繊細
な音色を楽しみながら、もらったニンジンをかじります。口の中に広がる甘みは
おばあさんとの楽しかった時間を思いおこし、そのうちにママの作ってくれた
ニンジンスープが無性に恋しく思い出されるのでした。
あれからいくつもの丘を越え山のふもとに向け歩き続けていたラビフィーの中に
今までの旅の疲れも手伝って、楽しむはずの旅と心がけていたにもかかわらず
彼の瞳は足元を見つめて歩くことが多くなっていました。そして何ともいえない
切ない気持ちでムネが押しつぶされそうになっていたのです。
理由のわからない息苦しさに、大好きなニンジンを手にしているにもかかわらず
朝から深いため息をしたとき彼の頭上を小鳥たちが騒がしく飛びかっているのに
気がつきました。いったい何事が起こったのだろうと近くを飛んでいこうとする
鳥にたずねます。
「何かあったの、小鳥さん」
「あっ、ラビフィー 丘の上の木の下でうさぎさんが倒れているよ。耳元で
さえずったのに目を閉じたままなんだ、息はしているみたいなんだけど」
「えっ!それは大変だ」






 

更新日:2010-10-26 16:53:50