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家族の笑顔

兄ちゃんにすっかり懐いている僕。
そしてそんな僕を可愛がって、
きちんと世話するしっかりものの兄ちゃん。
その兄ちゃんも、父さんや母さんにも心を開きました。
不安を抱えていた新米パパ・ママもすっかり安心しました。
育児ストレスで悩んでいた頃が嘘のように思える生活に、
幸せを感じていた父さんと母さんでした。
でも2人はすっかり忘れていました。
僕の事を「怪獣王子」と呼んでいた事を…。

「お昼御飯は何にしようかしら…」
母さんの悩み事も、
すっかり普通の主婦となんらかわならい物となっていました。
鼻歌交じりに洗濯をしながら考えていた時、
居間から聞こえた“ドンガラガッシャン!”と言う大音響。
そして『お母さんっ!!』と言う兄ちゃんの声。
慌てて居間に行って見ると、
僕が泣きわめきながら、
壁や家具に頭をゴンゴンぶつけて歩いている真っ最中。
久し振りの「怪獣王子」降臨の瞬間。
兄ちゃんが来てから終始ご機嫌だったため、すっかり忘れていました。
『ど、どうして…?』
茫然とする母さん。
「どうして?」と考えた所で理由なんか思いつきはしませんでした。
いつも訳もわからず不機嫌になって、こうして暴れまくっていたのですから。
『多分…お腹が減ってるんだと思う』と兄ちゃん。
ハッとなって時計を見た母さん。
…いつの間にか12時を過ぎてる…。
しかも、今朝はいつもより早くに朝食を食べたんだったけ?

更新日:2009-12-27 00:24:19

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