• 作品を探す:

小説

携帯でもPCでも書ける!

  • 45 / 607 ページ

アベニュー17

 ジャッキーは単独で、同じ五番街の通称“アベニュー17(ディセターン)”と呼ばれる通りに来ていました。
 このアベニュー17は、五番街の中心部に位置する繁華街なのですが、たくさんの食料品や生活用品の市場が“ぶんどり広場”に集まっていて、ここの人々のちょっとしたマーケットになっているのです。
 大勢の人でごったがえしているその広場には、色々な楽器が奏でる音楽や、見せ物の掛け声なども聞こえてきて、自動車こそあまり走ってはいませんが、他の所に比べれば断然活気があって賑やかです。売られている野菜や果物、車のタイヤ、食器、服、洗剤なども程度の良い物が目立ちます。
 しかし道を歩く人々の格好はみすぼらしく、表情も暗く猜疑的で、その姿は皆くたびれたものでした。
 客と店主の口喧嘩や、ささいなことですぐに殴り合いの喧嘩をする男たち。品物を平気で盗んで逃げる子供。白昼堂々と客寄せをする売春婦。やはりここはスラムなのです。
 ジャッキーはそのぶんどり広場を早足で抜けて、近くに見えてきた七階建ての大きなアパルトマンに入りました。昔ながらのレンガの壁に、蔦性植物がからみついた古いアパルトマンで、まともなガラスの入っている窓などほとんど見当たらない、これもまたボロボロの建物です。
 彼は四階まで登ると、雨水の溜った廊下へ出て、309号室(ヨーロッパでは階数を二階から数える)の前に立ちました。
 ジャッキーはノックもせずにノブに手をかけました。鍵はかかっていないようです。ドアを開けたその時、
「そりゃっ!」
「どりゃっ!」
 部屋の中で待ち構えていたと思われる二人組の男たちが、突然ジャッキーに掴みかかってきました!
 ジャッキーは咄嗟に背中の剣を抜こうとしましたが手遅れで、二人組の背の高い方が、拳銃を顔に突きつけてきました!

更新日:2009-09-28 22:25:57

超時空物語RAIN 第一部 わたしの仲間たち