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小説

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貨物列車

 今わたしは貨物列車に乗っています。
 ここは二十一両編成の後ろから三両目の中なのですが、周りは機械部品の入った木箱が山積みされているので、とても狭くて暗くて、まるでわたしまで荷物になったような気分です。
 なのにわたしの前で箱に座っているジャッキーは、さっきから小さな装置を取り出して、平気な顔で何か盛んにごそごそやっています。わたしは荷物を押しのけてやっと確保したスペースに、無理矢理お尻を突っ込んでいるだけなので、窮屈で仕方ありません。
 きのういつの間にかぐっすりと眠っていたわたしが目を覚ましたのは、今日のまだ夜明け前でした。どうもジャッキーは一晩中起きていたようで、雨が上がったのを見計らってわたしを起こしたのです。
 見知らぬ男の人と夜のトンネルに二人っきりだったというのに、わたしは平気で眠ってしまったのですから、よほど疲れていたのでしょうか。服はまだ湿っていますが、カゼをひかなかったのは幸いでした。
 とにかく、あの鉱山からまた随分と歩かされました。そして、多分ミラノ方面からの線路との合流地点だったのでしょうか、しばらくしてミラノからやって来たこの貨物列車が速度を落とした隙に、こっそり飛び乗ったのです。
 でも、この貨物列車、レールの継ぎ目を拾う度にガタガタと直接お尻に響いてきて、きのうのエマトリアンエクスプレスと比べるまでもなく、乗り心地は最悪です。
 もちろん、貨車は人間を乗せるなんてことを想定して造られてはいないのですから、それは仕方ないにしても、先頭の古い時空機関車が吐き出す排気ガスは何とかならないものでしょうか。
 煙が天井近くの小窓から舞い込んできて、車内は臭いしあちこち真っ黒になっています。いくら貨物列車とはいえ、これでは環境汚染もいいところです。なんだか気分が悪くなってきました。

更新日:2009-09-28 21:52:37

超時空物語RAIN 第一部 わたしの仲間たち