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「えーと、来週まで無いわ。来週の月曜日はキャンプコマンダーとの会議ですね。それから、二週間後の週末には、他の食料プログラムのコーディネーターたちとの会議があるし。来月の初めにはバンコクで国連関係の会議が二つあったわね」

「ありがとう。会議に関しては、また詳しく聞くよ。まずは、君が作った、一覧表と、レポートのひな型、それから今までの報告書のファイルを持ってきてくれるかな。過去の報告者から勉強したいから」

「はい。ではちょっと失礼します」

ランは、正雄の座っているすぐ隣りを通り、彼の後ろにある木製のロッカーを開けると、三冊の報告書ファイルを取り出した。ファイルを正雄の前に置くために彼女が振り向いた時、彼女の動きが見えなかった正雄が立ち上がり、左に一歩踏み出したので、ランはファイルで彼の頭を殴っってしまった。

「あー、ごめんなさい。大丈夫ですか」

「大丈夫だよ。ありがとう。こんな刺激的な出会いは一生忘れないよ」正雄は笑顔を作った。

 ランは眉間にしわをよせ、首を少し斜めにしたが、何も言わずに自分の机にもどり、そして閉じられていたファイルを開くと、再び何かを書き始めた。彼女の白い頬はうっすらと赤かった。

更新日:2011-08-06 11:33:37

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