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小説

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キャンプの関門

地平線から昇ったばかりの太陽だがその日差しは強い。
たいして広くない道を80キロで走るジープを照らしている。 ジープの窓は全開にされているので、入ってくる風も強く吹きつけ、幸子の髪は後ろに大きくなびいている。
アランの町から約四十分、田園や林そして小さな村をいくつか過ぎると急に地平線まで見えそうな荒野が広がった。真っ赤な土のその荒野の中、真直ぐ伸びる道の遥か前方に、柵に囲まれた集落のようなものが見えてくる。カオイダン難民キャンプだ。

キャンプゲートの前で、ティアンは車を停めた。ゲートの端には小屋があり、そこに兵士が数人座っている。
車が止まると一人の兵士が近づいてきたので、ティアンは車から降り、胸のポケットから書類を取り出してその兵士に見せた。
彼は車の中の後席に座っている二人を指差し、何か説明をしている。車の横に来た兵士が小屋の中の兵士に手を振って合図をすると、ゲートが開かれた。ティアンは運転席に戻り、車はゆっくりとキャンプの中に入った。助手席に座っているジアップは、兵士たちに向かって両手を合わせ、お辞儀をした。

 ゲートを通るとそのすぐ隣りには、兵士達の詰め所がある。道の反対側にも大きな建物があるが、兵士達とは関係の無い別の施設のようだった。
これらの比較的大きな建物も、道の彼方に見える建物の群れも、全て竹で作られてる。竹を何本かまとめて柱にし、壁もドアも竹垣のように竹を一列に並べたものだ。屋根は南洋特有の何かの樹木の葉で出来ている。

「僕達の仕事場は遠いの?」蓮根が尋ねたがティアンは無言の笑顔で答え、車は数メートル進むとゲートから遠くない建物の前に停まった。

「さあ、二人ともこちらにどうぞ」

更新日:2011-08-06 10:39:32