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小説

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Ⅰ プロローグ

ゴールデンウイークはわくわくする。東京から高崎駅にきてレンタカーを借り、榛名山のじぐざぐ坂を登って僕は帰ってきた。
 僕と沙羅(さら)は幼なじみ。久しぶりに会うことになる沙羅と、一八時に待ち合わせている場所は思い出のモスバーガーだった。そこは榛名山の湖を臨んだところで、隣にはおじいさんの別荘がある。
 子供の頃の僕は、東京の小学校でいじめられ登校拒否児童になったのでしばらく、おじいさんに預けられていた。沙羅はおじいさんの別荘に近い近所のペンション・オーナーの一人娘で、僕たちはすぐに仲良しになった。
 店内はけっこう混んでいるけれども二人分の席はちゃんとおさえてある。
(沙羅、お化粧するようになったのかなあ?)
 沙羅がくるまでの間に、アイス珈琲を頼んだ。かららん、とベルが鳴ってまた客がきた。 (沙羅かな?)
 振り向いた僕に、
「やあ、宗司(そうじ)久しぶり!」
 と声をかけたのは沙羅じゃなくて〈あの兎〉だった。

更新日:2009-06-28 11:14:46