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選ばれし者?
ドアを開けると、奇妙な人物が立っていた。
ここは新興住宅街のはずれにある安アパート。俺はその住人だった。
グレイの肌に大きな目。テレビでよく見る典型的な宇宙人だった。
そいつは遠慮なく部屋に入ってくると、しばらく部屋の中を見回した後、驚いている俺に向かってこう言った。
「もう分っていると思うが、私は宇宙人だ。君は地球の代表に選ばれたのだ。私と一緒に来てもらいたい」
突拍子もない話だが、聞いてみると、それ程悪い事でもなかった。
文化の遅れている地球の人々を目覚めさせるために、3年間彼らの星に留学し、地球と彼らを結ぶパイプ役になれというのである。
無論、富と名声は思いのままだ。
とはいえ、普段ならいくらなんでも「考えさせてくれ」というところである。
だが、この日の俺は違っていた。
昨夜、同窓会があったからである。
高校時代の友人達は皆、それぞれの道を意気揚々と歩んでいた。
夢破れて、その日暮らしのフリーターをしているのは俺だけだったのだ。
その上、当時のガールフレンド・久美子がすでに結婚をしていた。
あろうことか……その頃の俺のライバル尾崎とである。
そんな訳で、俺はいとも簡単に宇宙人の話に乗ることにした。
ここは新興住宅街のはずれにある安アパート。俺はその住人だった。
グレイの肌に大きな目。テレビでよく見る典型的な宇宙人だった。
そいつは遠慮なく部屋に入ってくると、しばらく部屋の中を見回した後、驚いている俺に向かってこう言った。
「もう分っていると思うが、私は宇宙人だ。君は地球の代表に選ばれたのだ。私と一緒に来てもらいたい」
突拍子もない話だが、聞いてみると、それ程悪い事でもなかった。
文化の遅れている地球の人々を目覚めさせるために、3年間彼らの星に留学し、地球と彼らを結ぶパイプ役になれというのである。
無論、富と名声は思いのままだ。
とはいえ、普段ならいくらなんでも「考えさせてくれ」というところである。
だが、この日の俺は違っていた。
昨夜、同窓会があったからである。
高校時代の友人達は皆、それぞれの道を意気揚々と歩んでいた。
夢破れて、その日暮らしのフリーターをしているのは俺だけだったのだ。
その上、当時のガールフレンド・久美子がすでに結婚をしていた。
あろうことか……その頃の俺のライバル尾崎とである。
そんな訳で、俺はいとも簡単に宇宙人の話に乗ることにした。
更新日:2009-06-12 15:47:13