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小説

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機上の月見

梅雨の最中の6月26日、夜の9時。九州から東京に向かう機内の窓からふと斜め上を見上げると、白熱球のような満月が空に浮かんでいた。周りには星ひとつ見えないほどの明るさだ。

地上は曇りの天候、月は見えない北九州空港からのフライトで、一時の雲上からの月見となった。

よく見ると月の上の部分がぼんやり欠けている。雲に隠れているのかと思いきや雲が浮く高度でもない。

かといって雲に隠れているような雰囲気でもない。鉛筆で塗りつぶした円を円周の部分から内部に向かって消しゴムで消したような輪郭のはっきりしない欠損である。

妙な満月だなぁ・・・とぼんやり上空を眺めていると、あ、そういえば・・・車の中で聞いていたラジオで月食云々の話題が流れていたことを思い出した。

後で調べてみるとやはり・・・南東の空、20時~22時、部分月食とある。

高度1万メートルからの月見は、偶然にも月食観察となったのであった。

(ちなみに今年は月食が3回見られる年。次の月食は12月21日、皆既月食だそうです。)


2010年8月

更新日:2016-12-15 15:39:03