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 俺は焦った。

“ 早く、このクラクラを治さなければ・・・。
かと言って、下手に動くと悪化しそうだし・・・。
ジッとしていて役に立つこと、何か無いかな・・・?
・・・・・・・・・・・?
そうだ・・・・!?
苦しい時の神頼み!”

 俺は両手で頭を抱え込んだまま、うつ伏せの状態で床にしゃがみ込み、取り敢えず動きを止めたまま、神様に祈ってみる。

「 ああ、神様ァ~、神様ァ~、どうか早く治りますようにィ・・・・。」

ところが、フト思った。

“ あれっ・・・・、うちの宗教って何だったかな?
仏壇あったけど・・・・・・。
とすると、仏様かな・・・・?”

急遽、仏様にすることにした。

「 ああ、仏様ァ~、仏様ァ~、どうか早く治りますようにィ・・・・。」

ところが、フト考えた。

“ ん・・・・・!?
いや、ちょっと待てよ!
このしゃがんだうつ伏せ体制って、どっかで見たことがあるぞ・・・。
そうだっ!“

メッカに向いているのかは分からなかった。

「 アッラー、フアクバル!
アッラー、フアクバル!
目眩、早く治りますように・・・・・。」

知り合いの神様では無かったが、この際である。
急遽祈ってみた。
 すると、どうだろう。
どうも、俺の向きはメッカを向いていたようだ。

“ お、お、お、おっ・・・・・・!”

その祈りが極力効いて来て、目眩は急激に解消し始めた。

“ き、効いた、効いた、効いて来たぞォ~!!”

世界中の八百万の神様は、常に日本人の味方なのである。

「 メッカの神様、ありがとう!」

しかし、単に時間が経って治って来たと言っても良いような気もする。

“ そこんところは、ま、いいか・・・・!”

俺はスクッと立ち上がる。

「 復活!」

元気になった俺は、

「 下だ、下だ、下だァ~!」

と松岡修造のように叫びながら、非常階段を一段飛ばしにピョンピョン駆け下りる。









更新日:2017-01-14 12:15:53

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