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丁度、真っ暗なスクリーンを残して、体が徐々に後ろに引かれて行く感じだ。

“ あっ!”

 突然、四角い外枠が視界の上下左右から現れた。
そして、その四角い外枠の中を、俺は後ろを向いたまま、前から後ろに潜り抜ける。

“ スルスルスルスル・・・、ガタッ、ガタッ!”

二度の揺れで枠を潜り抜けると、体がスルスルから、ガタガタ揺れながら後退している状態に変化した。

“ ガタガタガタガタ・・・。”

 四角い外枠がガタガタ揺れながら、徐々に前に進んで行く・・・・、と言うより四角い外枠は止まっていて、俺が後ろ向きで、ガタガタ揺れながら後退していると言った方が良い気がする。

“ なんか、ガタガタの揺れ方が酷くなった気がするけど・・・。
これって、後ろ向けの緩いジェットコースターって感じだなァ・・・。”

さらに、ドンドン体が後退して距離が出来、取り残された四角い外枠の正体が判明した。

“ あらっ・・・、あれって、ディスプレイ画面だぞ・・!”

そして、そのディスプレイは、何故か平たい石の上に置かれていた。

“ ガタガタガタガタ・・・。”

さらに、ドンドン体が後退して行く。

“ 何だ、ありゃ・・・?”

平たい石の上に置かれたディスプレイの背景には、見慣れたサバンナの夜の風景が広がっていた。

“ 広場にディスプレイなんてあったかな・・・?”

まだ後退を続けながら、揺れも、

“ ガタガタガタガタ・・・。”

と続いている。
 俺が、

“ あのなァ~、何処までバックするんだよ・・・?
ここってサバンナだろ、分かったから、もう、いい加減に止まれよな!”

と、ディスプレイを正面に見ながら、ぶ~たれていると、

“ あれっ・・・??”

視界の左後ろから、怪しいヤツの後ろ姿が現れ前に進んで行った。

“ あの後ろ姿、何か見たことがあるヤツだけど・・・。”

と思ったとき、突然、そいつが振り返った。
 俺は驚いた。

“ わっ!”

それと同時に後退はストップし、停止した俺はそいつと向かい合う。

“ ・・・・・・・・・。”

俺とそいつは、睨み合いながら、沈黙が流れた。








更新日:2016-06-24 22:05:04

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