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ストレートライン

「はい。じゃあ、エチュードをやってもらいましょう。
台詞も役柄も選んでいただいていいですよ?」

今まで演じたことのある役柄がずらりと並ぶ。
シュタゲや逆転のコメディタッチから、ラブロマンスから、戦闘ものまで。
お客様が一番喜ぶのってなんだろう?

コメディはどっちかというと男性受けが良かった作品だし。
戦闘ものは思い入れはあるけど、セリフよりも動きというものもある。
ラブロマンス・・・?

台詞ややっぱ長いほうがサービス心旺盛なのかなあ?
ちょっと色気とか求められてるんだろうか。
やー・・・。どれもこれも思い入れがあるからなあ。

ぐーるぐる、ぐーるぐる。
散々悩んでいると、キラキラと目を輝かせている司会者と目があった。

<ラブで!ラブ!>

会場に聞こえないようにぽそぽそと告げてくる。

「じゃあ。やっぱこれだな。」

選んだのは、世の中に一番知れているであろう南太平洋のシーン。

「相手役も選んでくださいね。」

相手。
確かにリアットがいないと始まらない。

センターに迷いなく進み出ると、すっと腕を差し出した。
名前を呼ばなくても、視線でわかる。

「来い。」

うん。とうなづいたまおが、迷いなく俺の手を取る。

迷子になる余地さえないストレートライン。

お前は俺のものだからな。
よく覚えておけ。

その場にいる全てのものに見せつけるように、口づけを交わした。





更新日:2017-02-24 15:03:01

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それでも、大まおが一番!その2(2017)