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クビになってからの一ヶ月〜父に気持ちが伝えられない〜

挿絵 464*312

クビになってすぐ思ったのは、「彼と離れて悲しい」と、「私は東京に行かなくては!」の2つだ。どちらが重かったか言えば、同じ重さだったと思う。その証拠に私は、退職手続きが気持ちの整理がつかず出来ないのに、東京への就活をしていた。その心境を家族に伝えるのには、時間がかかった。今のような状態で無理だと言われ、では、どんな状態であらば、東京への就活をしていいのか?では、なぜ退職手続き1つ出来ないのか?理解してもらうのには時間がかかった。父と母と、とにかく言い争った。自立を早くしていた人から見れば、滑稽に思えるだろう。家を離れる覚悟があるうちに東京に!と言いながら、私は退職手続きの1つが出来なかったのだ。その矛盾を家族はどう思っただろう。ちゃんと就活応援してくれていたら、こんな思いをしなくて良かったのにとも当たった気がする。何を持ってして親離れというのか、分からないが、私は、県外を飛び回る同期に疎外感を感じ、大学時代の友人が都心に行ってしまったことから、とにかく寂しく、「東京に行かなくては!」と思ったのだ。この時の父の言葉で、印象に残っているのが、「どうしてそこまで悪く嫌だという会社の退職手続きが出来ないのか」だ。私は、その未練が彼にあることを、父親に伝えられなかった。

更新日:2017-01-12 16:49:36

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