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重なり合ったまま、荒い呼吸のまま見つめあう。

「少しは収まった?」

いたずらっ子のような瞳で彼に問う。

「おまえは?」
「ぼくが聞いてるの」

ぷっとほほを膨らませる。

「まだだと言ったらどうする?」

ふふふと笑ってアレクセイを抱きしめた。彼の大きな手が背中を這う。

「仰せのまま」
「ふふ、冗談だ」

彼女に額にキスを落とし、足元に丸まっていた上掛けを引っ張り上げた。

「明日は早い、もう休もう」
「うん・・・」

彼の胸にほほを摺り寄せると、すぐに寝息を立て始めた。
あどけない寝顔にもう一度唇を落とし、アレクセイも眠りに落ちて行った。

更新日:2017-01-25 15:11:01

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