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小説

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ほどけた小指の赤い糸

「ねぇ、園子にはこれなんかどう?
京極さんの『京』の字が入ってるよ」

毛利蘭が手にしたスリッパを鈴木園子に見せる。

それはスリッパのど真ん中に墨で描いたような行書で『京』の一文字。
なんとも奇妙なスリッパだ。

「蘭、これ、東京の『京』じゃない?」

「園子君、違うよ。『京』と言ったら京都だよ。
これは外国人向けに作ったスリッパだな。
ほら、サイズも特大だろう」

「何よ、園子も世良ちゃんも……
別に京極さんの京でいいじゃないの?」

「ダメよ、蘭、京といったら東京よ!」

「いや、日本で京といった京都だな」

三人の少女が言い合いを始めている。

その隙を見逃すことなく、彼女たちの横を目深にキャップをかぶった工藤新一が、
宮野志保を連れて早い足取りで通り過ぎていく。

しかし、その時───

自分の脇を通り過ぎる人の気配に世良真純がハッと横を振り向いた。

けれど、もう誰もいなかった。

新一たちはあっという間に店から離れて、彼らの姿は人混みに紛れてしまった。

たが、そこは二人の優秀な兄を持ち、新一と探偵として張り合うほどの世良だ。

一瞬と言えども彼らの背中をしっかり捉えていた──。

更新日:2016-11-17 17:16:40

Irregular Lover ~ 新志 【コナン二次創作】