• 作品を探す:

小説

携帯でもPCでも書ける!

  • 16 / 157 ページ

迷子の子猫 前編

翌朝、新一が起きるとすでに志保が目を覚ましていて、ダイニングテーブルには、
ご飯や味噌汁のお茶碗に納豆、卵焼きといった和食の朝食が準備されていた。

(おおっと、炊き立てのご飯と味噌汁のいい匂いがするじゃねーか!)

江戸川コナンとして毛利探偵事務所に居候していた頃とは違い、
工藤邸で一人暮らしを始めてからはほとんど食事は適当だった。

普段は食パンを焼いてバターを塗って食べるだけなので、
朝から本格的な朝食は久しぶりだ。

蘭が何度か『ご飯を作りに行ってあげようか?』と申し出てくれたのだが、
新一の方から丁重にお断りしていた。

何と言っても蘭も受験生だ。
新一とは違い、決して余裕があるわけではない。

できれば、自分と同じ大学へ行きたいらしいが…………
だったら、なおさら勉強に集中してもらいたかった。

「あら? 工藤君、おはよう」

「おはよう、宮野……もう朝食の準備ができてるんだな」

今朝の志保は赤いチェックのシャツに黒のロングスカートというごくありふれたスタイル。
エプロンだけはフリルの可愛いままだが……。

どうやら昨日のメイド服は、新一の世話になるので特別にオシャレをしてくれたようだ。

志保の格好を見て新一はホッと胸を撫でおろした。

「工藤君、早く顔を洗って来てね。朝食にしましょう」

志保が新一に朝から可愛いらしい笑顔を向ける。

新一ひとりだとだだっぴろくて殺風景な工藤邸内が……
女性一人が増えただけで昨夜から明るく華やいで見える。

(本当に可愛い奥さんもらったみてーだな。
まあ、でも、たまにはこういうのも悪くねーよな)

家事は全部引き受けてくれて、料理も上手くて、
こんなに素直で可愛い彼女との同居なら────
男なら誰だって悪い気がしない。

新一も無意識のうちにニヤけていた。

更新日:2016-10-16 14:46:27

Irregular Lover ~ 新志 【コナン二次創作】