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生まれる前、選ばなかった選択肢。

『起きてください。』

ん?どうした?

あの眠りから起きると病院とは違う、不思議な世界に僕は居た。

なんだろう?

『ごめんなさい。』

え?なんで謝ってるの?

『今回はこんなことになってしまって…。』

なにか申し訳無さそうな彼は人のような?いや、違うのか?

良くわからない姿をしている。

謝る前に、まず、ここはどこなんですか?

『ああ…、ここはいわゆる皆さんが天国とか黄泉とか地獄とかあの世って言ってる…いや、神様の場所かな?一番わかりやすいのは。』

神様の場所?

『そう。全ての事象を司る神様の居る場所です。』

その神様?あなたが?

『いや、神様の一種類には入りますが、私は皆さんが天使とか神様の助手とか神様の秘書とか言う位の者です。』

あぁ、天使様か。
で、その天使様がなんで僕なんかに謝ってるの?

『実は神様の場所始まって以来の手違いがありまして。』

ふむ。僕がなんかそれ関係あるの?

『あなたはその手違いの被害者ですから。』

なるほど。

いや、なんかとんでも無いこと言ってない?

『えぇ。謝っても謝りきれない手違いですね。』

で、なに?
もしかして、自殺した時に魂入れ違えとか?

『いえ、違います。あなたはあなたです。』

え?いや、なんかおかしい状態になってたよね?

『それは別に良いことです。』

え?なんで?
なんであんな知らない人が僕の心配してるの?

『では、この話をする前に大事な話をあなたに説明しましょう。』

『実は、人は皆、生まれる前に、いくつかある選択肢を選択して、生まれていくんです。』

『つまり、人には選ばなかった選択肢がいくつかあるんです。』

って、ことは…?

『あなたが目覚めた時に感じた違和感は、選ばなかった選択肢から一番幸せになれる選択肢に変更したからです。』

え?どうゆうこと?

『あなたが選んだ選択肢は一番不幸になる人生を選んでたんです。だから、幸福の人生に変えました。』

それは良いよ。

良くないけど。

『どっちですか。まあ良いや。』

良いのかよ。

『そんなことより本来、謝ってるのはそこじゃないんです。』

え?

『実は今回、一番偉い神様が交代したんです。その新しい神様も苦労人で、本来は一番偉い神様にはなれないはずでした。』

なんでなれたの?

『今回、一番偉い神様の体調不良で、一番偉い神様が退任したんです。』

更新日:2016-08-05 03:39:50

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