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Lovely Day with Friends 前編

そんな訳で、俺は付き合い出して初めて迎えるクリスマスイブを……
彼女と一緒に過ごしたいという一心で、ここはなし崩し的に説き伏せてでも、
意固地な灰原から約束を取りつけようと試みたのだが────

「だから、なんで無理なんだよ」

「貴方、自分で今言ったじゃないの?
私たちは25日にはロスへ行くのよ。旅行の準備もだけど……
博士だってお正月は留守にするから、家で片付けたいこともあるし……
クリスマスイブを貴方とゆっくり祝っている暇なんてないわね、無理よ」

「じゃ、23日に泊まりに来いよ」

灰原と二人だけで夜を過ごせるなら俺はいつだって構わない。

「それも無理ね」と言いながら、灰原が大きくため息をついている。

何度も無理よ無理ねと連発されて俺もカチンとくる。
だから、少々子供じみた態度で文句を言う。

「はっ? なんで23日も駄目なんだよ」

「貴方、忘れたの?」

「何を?」

「あの子たちと約束したじゃない?」

あっ! そうだった。

23日は少年探偵団のあいつらと他にも俺らとつき合いのある連中や
サッカー部の仲間も数人呼んで、結構な大人数で俺の家で、
クリスマスパーティーをやる予定になっていた。

もちろん発案者は少年探偵団のあいつら三人だ。

あいつらに任せていたら、あれよあれよという間に話が決まって、
当初はいつものメンバーでクリスマスパーティーをするはずだったのが、
いつのまにか大人数になっていた。

しかも、俺の家で────

しかし、慣れと言うのは恐ろしい。

もう幼児化して七年にもなると、博士の言葉じゃないが、
最近では実に違和感なく、俺たちも中学生としての生活に溶け込んでいる。

更新日:2018-06-22 21:05:50

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