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金曜日 ~ お宝探しへ

お宝探しのイベントは土曜日に始まり次の土曜日までの八日間で行われる。
その間に島のどこかに隠されているという謎のお宝を探し当てた者に、
三百万円の報酬が贈呈されることになっている。

新一に支給されるホテル滞在費は一週間分だけで、残りのホテル代と志保の航空券等は自腹になるが……
新一はイベントが始まる前日、金曜日の午前中に一人で沖縄へ飛び立った。

『特別招待者』には土曜日のオープニングセレモニーに出席することが義務づけられているのだ。

結局、志保は三日遅れの月曜日に現地入りすることになった。

新一は那覇空港に到着すると、各離島へ行くフェリーのターミナルがある港までタクシーで移動する。
今回お宝探しが開催される離島へのフェリーは一日一往復しか出ていなかった。

フェリー乗り場に到着した新一は、待合室で野球帽をかぶった色黒の男を見つける。
すぐさま色黒の男に声をかけた。

「よう、服部!」
「おう、工藤! ひさしぶりやな、春休み以来やろ」
「そういやそうだな」

工藤新一が東の探偵なら西の探偵と呼ばれる男がこの服部平次だ。

服部とは新一が江戸川コナンだった時に知り合い、
ライバルとして数々の難事件を一緒に解決していくうちに、
いつのまにかプライベートな相談もできる親友として付き合うようになっていた。

新一は時たま服部と電話で連絡を取ってはいるが、二人が会うとなると、
春休みに服部の提案でお花見をした時以来である。

服部も今回のお宝探しに『特別招待者』として参加することは、
数日前に電話で話をした際に新一も聞いて知っていた。

更新日:2017-01-09 13:00:30

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哀情恋慕 特別編 【コナンで新一×志保】