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と、まあ、俺の悩みのタネだったのだが……。

何しろ帝丹中学校では放課後のクラブ活動も必修の一つで、
生徒はどこかの部に必ず属さなければならない決まりになっている。

できれば、放課後も俺の目の届く範囲に灰原をおいておきたい。
だから、俺は彼女に言ったのだ。

「灰原、歩美と一緒にサッカー部のマネージャーやれよ」
「運動部なんか絶対にイヤよ」
「じゃあ、光彦のいる囲碁将棋愛好会に入れ!」
「そんなの冗談じゃないわよ」

と、灰原に本気で睨まれた。

それから、毎日のように「サッカー部にしろ!」「嫌よ!」と灰原と押し問答を繰り返した結果、
灰原は天文科学部に入ることに決めたのだ。

それを聞きつけた光彦が……

「灰原さん、一人では心細いでしょうから、僕も天文科学部を掛け持ちしますよ」

『光彦、よく言ったぜ! サンキュ』と、思わぬところから助け舟が出た。

光彦が側にいれば、安心だ。

まだ中学性とは言え、お互い灰原に好意を寄せるライバルでもあり、同志だ。
光彦ならきっと灰原を全力で守ってくれるはず。

(わりぃな、光彦、灰原は俺がすでにもらったから……。
けどよ、オメーに彼女を頼んだぜ)

と言うことで、放課後は光彦に灰原を任せることにした。

更新日:2018-05-21 22:00:06

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