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【中学一年生 七月】 夏休み part 1

いよいよ明日からは待ちに待った夏休みだ。

退屈な中一の授業から解放されると思うと、何度経験しても夏休みは待ち遠しい。

小学生の頃の夏休みと言えば、博士の黄色いビートルで少年探偵団のあいらと、
キャンプや海にとあちこち遊びに行っては殺人事件に巻き込まれていたが……、
中学生になった今年は少年探偵団の子供たちも、
小学生の時と同じようには遊んでばかりもいられないようだ。

俺の入っているサッカー部は帝丹中の運動部の中でも一、二を争う練習量を誇り、
この夏休みもほぼ毎日のように部活に顔を出さねばならない。
サッカー部のマネージャーをやっている歩美も必然的に俺と一緒に部活漬けの毎日だ。

元太はというとあの大きな図体のおかげで入学当初から連日のように、
柔道、野球、サッカー、バレー、バスケといった運動部の上級生から勧誘を受け……
悩んだ末に野球部に入ることになった。
まだ一年生でありながら秋までにはレギュラー捕手として育て上げようと、
野球部監督にしごかれているらしく、やはり元太も部活動に忙しくしている。

歩美から聞いた話によれば、元太が野球部に決めた理由は、
一番美味いうな重をご馳走してくれたからだとか。

『おいおい、うな重で野球部に買収されたのかよ!』

元太らしいと言ったら元太らしいが……。

それから同じく少年探偵団のメンバー、光彦の方は春から進学塾に通い始め、
こちらは本格的に学業に力を入れだしたようだ。
夏休みには勉強合宿まであるらしい。
これまた歩美から聞かされた話にると、
光彦は将来は灰原と同じ道を目指して科学者か医者になりたいとのこと。

『最近の光彦は、はりきってるからな』

灰原の帰国に大喜びした人物がもう一人、身近にいた。
いまだに光彦の彼女への憧れは強いようだ。

こんな風に中学生に上がって少年探偵団の子供たちもそれぞれ新しい世界で活動し始めた。

更新日:2018-06-17 21:18:08

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