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一の巻 ミシロタウン 旅立つ二人のトレーナー!!
【ミシロタウン】
ガタガタガタガタ……ガタガタ……ガタ、ゴトンッ……。
『……お、ようやく着いたか!!』
引っ越しの荷物を大量に乗せたトラックが止まり、期待に満ちた少年の声が聞こえた。……よ、ようやく着いたのか……ホウエン地方……。ずっとこのまま窮屈な態勢でいるのはさすがに辛かったから本当に助かった。
『ユウキ、お疲れ様。長い間トラックに揺られて大変だったでしょ? ここがミシロタウンよ』
『うーん!! ……自然豊かでいいところだね、母さん』
『でしょ? どう? これが私たちの新しいおうち!! ちょっと古風な感じで住みやすそうなところでしょ? 今度はユウキのお部屋もあるのよ!! さあ中に入りましょ!!』
少年とその母親の声が遠ざかっていく。それに続いて、トラックの中にあった大量の段ボールが運び込まれていくのがわかった。この業者は確か腰にベルト巻いている怪力ポケモン――ゴーリキーを雇っているんだったかな。
……と、いけない。そろそろ穴を塞がなくては。息継ぎ用の穴がたくさん開いた段ボールがあったら怪しまれる。
【ミシロタウン ユウキの部屋】
『……えっと、これで長針と短針を動かして……よし、現在時刻の設定完了!!』
『ユウキ。どう、新しい部屋は?』
『うん、いい感じだよ』
『……うん!! 綺麗に片づいてるわね!! 下ももう片づいたわ。ポケモンがいると本当に楽ね!! あ、そうだ。今テレビで、トウカジムが映ってるわ。パパが出るかもよ!!』
『えっ!? 本当!? 早く見に行こうぜ、母さん』
慌ただしい足音とゆっくりとした足音が、階段を下りていくのが分かる。どうやら下の階にテレビを見に行ったようだ。静まり返る部屋の隅で、俺――ノワールは段ボールの中から這いずるように出た。
「……うぅ、関節に違和感が……」
経費削減のため、引っ越しトラックの荷物の一つに紛れてホウエン地方に潜入する作戦は成功したが……さすがにこれはキツい。俺は屈伸や伸脚をして、体をほぐしていく。
ガタガタガタガタ……ガタガタ……ガタ、ゴトンッ……。
『……お、ようやく着いたか!!』
引っ越しの荷物を大量に乗せたトラックが止まり、期待に満ちた少年の声が聞こえた。……よ、ようやく着いたのか……ホウエン地方……。ずっとこのまま窮屈な態勢でいるのはさすがに辛かったから本当に助かった。
『ユウキ、お疲れ様。長い間トラックに揺られて大変だったでしょ? ここがミシロタウンよ』
『うーん!! ……自然豊かでいいところだね、母さん』
『でしょ? どう? これが私たちの新しいおうち!! ちょっと古風な感じで住みやすそうなところでしょ? 今度はユウキのお部屋もあるのよ!! さあ中に入りましょ!!』
少年とその母親の声が遠ざかっていく。それに続いて、トラックの中にあった大量の段ボールが運び込まれていくのがわかった。この業者は確か腰にベルト巻いている怪力ポケモン――ゴーリキーを雇っているんだったかな。
……と、いけない。そろそろ穴を塞がなくては。息継ぎ用の穴がたくさん開いた段ボールがあったら怪しまれる。
【ミシロタウン ユウキの部屋】
『……えっと、これで長針と短針を動かして……よし、現在時刻の設定完了!!』
『ユウキ。どう、新しい部屋は?』
『うん、いい感じだよ』
『……うん!! 綺麗に片づいてるわね!! 下ももう片づいたわ。ポケモンがいると本当に楽ね!! あ、そうだ。今テレビで、トウカジムが映ってるわ。パパが出るかもよ!!』
『えっ!? 本当!? 早く見に行こうぜ、母さん』
慌ただしい足音とゆっくりとした足音が、階段を下りていくのが分かる。どうやら下の階にテレビを見に行ったようだ。静まり返る部屋の隅で、俺――ノワールは段ボールの中から這いずるように出た。
「……うぅ、関節に違和感が……」
経費削減のため、引っ越しトラックの荷物の一つに紛れてホウエン地方に潜入する作戦は成功したが……さすがにこれはキツい。俺は屈伸や伸脚をして、体をほぐしていく。
更新日:2013-12-03 01:40:30