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六の巻 背水の陣? 『はかいこうせん』にご用心
【カナシダトンネル】
えんとつ山を目指して旅をするヴェールと親戚のいるシダケタウンを目指すミツル君は、カナズミシティとシダケタウンを結ぶトンネル――カナシダトンネルを歩いていました。
これまでミツル君と旅をしてきたわけですが、このカナシダトンネルを抜ければシダケタウン……ミツル君の親戚の家がある町に着くです。そうなれば、ミツル君とはお別れですね。……なんだか寂しいです。
特徴的な白っぽい岩の壁を横目に歩いていると、「そういえば」とミツル君がヴェールの方向きました。
「ヴェールちゃんって、なんで自分の手持ちに『はかいこうせん』以外の技を覚えさせてないの?」
「どうしたんですか、ミツル君。そんな藪から『はかいこうせん』に」
「そんなことがあったらビックリだけどね!? ……いやさ、『はかいこうせん』にこだわるっていうのは百歩譲っていいと思うんだけど、『はかいこうせん』以外の技を覚えさせないのはなんでなのかなって」
なぜ百歩も譲ったのかわからないですけど、確かにミツル君の疑問はもっともです!! この世で最も素晴らしい技であるのは『はかいこうせん』で間違いないですけど、他の技を使っても問題はないはず。いえ、むしろ『はかいこうせん』を引き立てるための技があった方がいいに決まってるです。
ですが、このヴェール……その程度のことは当然考えた上でのことなのです。その上で『はかいこうせん』以外の技を覚えさせないのには理由があるのですよ!! ヴェールは「ふふふ」と笑みをこぼしました。
「……よくぞ聞いてくれましたです!! これはとある偉い人の作った有名な言葉に習っているのですよ!!」
「へぇ……どうせ間違えて覚えてるんだろうけど、誰の言葉だろう? 僕の知ってる言葉かな?」
「……なんかミツル君、ヴェールに対して平気で失礼なこと言うようになってないですか……?」
えんとつ山を目指して旅をするヴェールと親戚のいるシダケタウンを目指すミツル君は、カナズミシティとシダケタウンを結ぶトンネル――カナシダトンネルを歩いていました。
これまでミツル君と旅をしてきたわけですが、このカナシダトンネルを抜ければシダケタウン……ミツル君の親戚の家がある町に着くです。そうなれば、ミツル君とはお別れですね。……なんだか寂しいです。
特徴的な白っぽい岩の壁を横目に歩いていると、「そういえば」とミツル君がヴェールの方向きました。
「ヴェールちゃんって、なんで自分の手持ちに『はかいこうせん』以外の技を覚えさせてないの?」
「どうしたんですか、ミツル君。そんな藪から『はかいこうせん』に」
「そんなことがあったらビックリだけどね!? ……いやさ、『はかいこうせん』にこだわるっていうのは百歩譲っていいと思うんだけど、『はかいこうせん』以外の技を覚えさせないのはなんでなのかなって」
なぜ百歩も譲ったのかわからないですけど、確かにミツル君の疑問はもっともです!! この世で最も素晴らしい技であるのは『はかいこうせん』で間違いないですけど、他の技を使っても問題はないはず。いえ、むしろ『はかいこうせん』を引き立てるための技があった方がいいに決まってるです。
ですが、このヴェール……その程度のことは当然考えた上でのことなのです。その上で『はかいこうせん』以外の技を覚えさせないのには理由があるのですよ!! ヴェールは「ふふふ」と笑みをこぼしました。
「……よくぞ聞いてくれましたです!! これはとある偉い人の作った有名な言葉に習っているのですよ!!」
「へぇ……どうせ間違えて覚えてるんだろうけど、誰の言葉だろう? 僕の知ってる言葉かな?」
「……なんかミツル君、ヴェールに対して平気で失礼なこと言うようになってないですか……?」
更新日:2013-12-08 05:34:37