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小説

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そこは、ギリシャ様式の華麗な宮殿で、なかもギリシャの調度品で豪華に飾り立てられていた。

「なんやの、このけったいなしつらえは?」

プシュケ―は、ひとり言を言った。

「けったいで、悪かったな!」

「ひぃえぇっ!」

すがたは見えないのに、どこかから声がしたので、プシュケ―は飛び上がった。

「えらい、たいそうな。そない、驚かんでもええやろ」

「あんさん、どなたはんどす?どこに、いはりますのん?」

プシュケ―が、訊ねる。

「おまはんの、旦那や!声ぐらい、おぼえてくれ」

「顔は?顔は、見られしませんの?」

「ちょっと事情があってな。顔出すわけには、いかんのや」

プシュケ―に恋焦がれているキューピッドではあったが、プシュケ―をめとれば母であるアフロディーテが怒り狂うことぐらいは察しがついた。

そこで、急きょ愛宕山の頂上に建てた宮殿に、自分の正体を隠したままプシュケ―を住まわせることにしたのだ。

「安心し!夜のつとめは、しっかり果たすさかい」

「へっ!顔も知らん相手とチョメチョメせぇ、言わはりますのん」

「顔なんか見んでも、できる。処女やったら、真っ暗なほうが恥かしのうて、ええやろ?」

「そらまぁそやけど、一回も顔も見たことない相手とするて・・・」

「そういうのも、おつなもんやで」

「ほんまにぃ?」

「夫を信じんで、どないする!寝室は廊下の突き当たりや。はよはよぅ!」

プシュケ―は急いで寝室へ行くと、真っ暗ななか後ろ手に戸を閉めた。

すると、いきなり後ろから抱きすくめられた。

「いやぁ~ん」

そう言いながら豊満な身体を押しつけてくるプシュケ―に、キューピッドはすっかり興奮させられた。

おかげで、夜じゅうかかって色々な体位を試すことができた。

そのかいあって、朝にはプシュケ―もすっかり夫にほれ込んでいた。

「さすがアポロン神殿の巫女はん。ええ夫、紹介してくれはったわぁ」

「あっ!もうじき、日が昇る。ほなまた、今晩な!」

「えっ!どこ行かはりますのん?夜明けのコーヒー、一緒に飲みまひょうな」

「仕事や。ここにあるもんは、全部お前のもんやさかい、好きにし。食事も、勝手に出てくるし」

そう言うと、キューピッドはバタバタと出て言った。

更新日:2013-04-20 12:13:54

京都生まれのキューピッドとプシュケー